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チャイコフスキー・交響曲第6番『悲愴』


昨日、ゲルギエフチャイコフスキー交響曲第5番のことを書いた流れで、第6番『悲愴』のことを書きます。


チャイコフスキー:交響曲第6番

チャイコフスキー:交響曲第6番


ポピュラーなこの曲ですが、わかりやすく単純かといわれればそうでもない。

5番などと比べると、わかりにくい曲であることは否めないと思います(私にとって。この曲がわかりやすく大好きだという人もいるかとは思います)。


曲全体を貫くものは、チャイコフスキーらしくロマン溢れる曲想と、メランコリックな旋律です。

このあたりは、第5番とも、ピアノ協奏曲とも共通する部分です。

でも、『悲愴』をまさに『悲愴』たらしめているのは、強烈な盛り上がりを見せる第三楽章と、一転して陰鬱な状態に沈み込んだまま終わる第四楽章です。

仮にこの第三楽章と第四楽章が逆だったら、『悲愴』でも何でもなく、部分的に優れたところのある交響曲の佳作で終わっていたかもしれません。


この曲は、困難を克服したり、勝利したりするのではなく、最終的に悲劇で終わる曲です。


何かに挑戦して失敗したり、どうしようもなく絶望的な気分のときに、聴きたくなる曲だと思います。


こういう曲が必要な時ってありますね。

少ないに越したことはないのですが。