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新しいデジカメ「GR-DIGITAL」は再び旅の夢を見せてくれるか?


RICOH デジタルカメラ GR DIGITAL

RICOH デジタルカメラ GR DIGITAL


新しいカメラを買った。

デジカメだ。

私は久々にときめきを感じながらこの商品を買った。



カメラが電化製品となってしまって、もはや趣味の品でなくなって久しい。

「なってしまって」というのは私がデジタルでなくフィルムから写真を始めたからだ。

NIKONニコン)、 CONTAXコンタックス)、LEICA(ライカ)。

フィルムカメラには道具を操る楽しさがあった。趣味性をとても大事にしていた道具だった。

デジカメの進歩により、200万画素とか500万画素など解像力、あるいは手ブレ補正や高感度などのテクノロジーがカタログをにぎわすようになり、

それらの機能は失敗をなくし便利なのだけど、

その進歩に寂しさを感じていた。

それらには道具として扱う楽しさが僅かしかなかったからだ。


◇  ◇  ◇


カメラは愛着が持てるものが良い。

旅行に携えて行きたいと思えるように。


*1


私にとって旅の思い出はカメラとともにあった。

私がヨーロッパを初めて訪れたときに携えていたのは、CONTAX T3という小さなフィルムカメラだった。

知らない街を自分の脚で歩き地下鉄やバスに乗って未知の場所に訪れたとき、

生まれて初めて見る西洋の街と人々の姿に胸が踊った。

紀元前からそこにあったであろう建造物にに息を呑んだ。

「あ、そういえばカメラ持ってたな」

シャッターを押す。

そんなカメラだった。

旅の気分を邪魔しない。

しかしここぞという場面ではレンズが潜在能力を発揮して素晴らしい描写を見せる。

それには街に溶け込めるカメラがいい。

大きすぎたり派手すぎたりしない方が良い。

何より、道具として愛着の持てるものが良い。


残念ながらそんな思い入れを持てるデジカメは今までなかった。

旅行に携えて行きたいと思えるデジカメはなかった。

これまで買ったデジカメは、「記録」を言い訳に消極的に選んだものばかりだった。


*2 *3


◇  ◇  ◇


さて、GR DIGITAL


このカメラは特別なことを何もやっていない。

28ミリの短焦点だ。ズームがない。

手ブレ補正もない。

高感度でもない。

キャノン製でも富士フィルム製でもない。

格別小さくもない。

銀色でもない。

MADE IN JAPANでもない。


ただひとつ、他のデジカメと違ったところは、このカメラを携えて旅に出てみたいと思ったことだ。

さて。このカメラはどんな思い出を私に与えてくれるのだろうか。


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*1:コルドバ。写真はすべてフィルムスキャナでスキャンしたものです。

*2:セビーリャ。同上。

*3:リスボン。同上。