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平成18年度上半期 直木賞決定。 でも直木さんって誰?


第135回(2006年上半期)直木賞が決定した。


受賞者と作品は、三浦しをんまほろ駅前多田便利軒』と、森絵都風に舞いあがるビニールシート』。


直木賞という章の大きさと比べ、直木さん自身はあまり知られていない。


芥川賞芥川龍之介がともによく知られた存在であるのと対照的だ。

いろいろ調べてみると、直木賞というのは菊池寛らが、大衆作家・直木三十五(なおきさんじゅうご)の死後、彼の大衆文学に対する多大なる貢献を記念して、芥川賞とともに設立したそうだ。


◇  ◇  ◇



そんな直木三十五の記念館が大阪にある。http://www.eonet.ne.jp/~karahoriclub/naoki/index.html

仕事で近くまで行ったので寄ってきた。

谷町筋から空堀商店街を西に進んで行き最初の通りを右に曲がって歩くこと3分。


うっかり通りすぎそうになった。


記念館はひとつの建物ではなくて、ビルの2階にテナントとして入っていた。

横のお店の人が券を売ってくれて、入り口を開けてくれた。


「ごゆっくり」


中はこじんまりとしていて、というより一部屋。

この「記念館」は、直木が晩年に自分で設計した家の造りをモチーフにしており、

畳に寝て原稿を書いていたという本人の習性に則して畳敷きとなっているそうだ。

展示品は、彼の著作。編集者時代の雑誌。直筆の短冊など。

入り口で貰ったパンフレットを読んでみるとこう書いてあった。

 直木三十五は「直木賞」にその名を残す作家ですが、直木三十五自身についてはあまりにも知られていません。
 直木三十五(本名:植村宗一)は1981年(明治24年大阪市南区内安堂寺町に生まれ、この記念館の隣にあった小学校(現在は桃園公園。小学校の塀の一部が今もこの建物にくっついたまま残っている)に通いました。市岡中学、代用教員などを経て早稲田に進みますが、学費に困って中退。その後出版事業を興したり、雑誌の編集、映画を製作するなど多くの活動を行い、そして時代小説、大衆小説を多作といえる程執筆します。代表作「南国太平記」で一躍人気作家としてその地位を確立した彼ですが、同時に病気や借金を抱え、無頼で破天荒な人生を走り続けました。そして43歳という若さでその生涯を閉じます。

パンフレットには書いていないのだが、


出版も、雑誌も、映画も失敗したそうだ。


いろいろ失敗した後に、ようやく大衆小説家として人気を博し、ベストセラーを連発するようになった。


読んでみたい。


しかし彼の著作はいまではほとんどが絶版だ。


記念館に行ってみていっそう、直木三十五という作家が謎めいてきた。