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シューマンのピアノ曲「クライスレリアーナ」

シューマンのことを続けて書いていたら、この作曲家が気になって仕方がない。
いままでとくに大好きな作曲家というけではなかったのですが、今日もシューマンの曲を聴いていました。
この作曲家にはすごい魔力があります。


でもシューマンもそろそろ終わりにしたいと思います。

今日はピアノ曲です。

シューマンはもともとピアノ曲の作曲家として世に出たこともあって、作品番号の若い作品はピアノ曲に集中しています。
シューマンの作品の中で、ピアノ曲は特に重要なジャンルだといえます。
トロイメライが有名な「子供の情景」はもちろん、「謝肉祭」、「幻想曲」など多くの傑作があります。


その中でも今日、紹介したいのは、「クライスレリアーナ」です。
この曲は、19世紀の小説家・詩人にして裁判官であったエルンスト・ホフマンの作中の人物・クライスラー楽長に因んだ曲です。
この曲をシューマンピアノ曲の最高傑作に挙げる人もいるほどです。

「急」−「緩」を繰り返し最後に「急」で終わる8つの小曲から成っており、大変起伏の激しい曲です。

でも私はこの曲の魅力を言葉で言い表すことが出来ません。


激情的。

…ちょっと違う。

詩的。

…やや。

幻想的。

…う〜ん。

メランコリック。

…少し。

病的。

…まあ。

デモーニッシュ(悪魔的)。

…確かに。



とまあ一言で表現するのは難しい曲なのですが、一聴して強い印象を与える曲であることは確かです。

聴いたときの印象は、どちらかと言えば「快」ではなく「不快」。

メロディはとてもわかりやすく覚えやすいのですが、背後にとてもグロテスクなものが感じられます。

とにかく凄い曲で打ちのめされます。


◇  ◇  ◇


私はこの曲を、大阪のいずみホールで、ピアニストの上原彩子さんの演奏で聴きました。
そのときの演奏は、まさに「鬼気迫る」といった凄演で、演奏が終わったときのピアニストの憔悴と、客席の緊張感は忘れられないものでした。


CDでは、アルゲリッチ演奏によるものが私の愛聴盤です。


シューマン:子供の情景

シューマン:子供の情景


子供の情景」とカップリングされていてどちらも名演です。