眠りたい夜にJ.S.バッハの『ゴルトベルク変奏曲』を
昨日、バッハの『ゴルトベルク変奏曲』のことを書いた。
ゴルトベルク変奏曲は、眠りのための音楽であるとも書いた。
しかし、グレン・グールドの演奏は、鍵盤を叩きつけるような激しい表現もあって、
反対に眼が冴えてしまう。
私は最後のアリアまで眠れなかった経験もある。
もっとも、グレングールドの演奏に眠りを求めるのが間違いなのだが…
◇ ◇ ◇
この曲には、もっと静かで、スタンダードな演奏もある。
- アーティスト: ペライア(マレイ),バッハ
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
- 発売日: 2004/11/17
- メディア: CD
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彼は、病気で演奏活動の中断と休養を余儀なくされたこともあってか、復帰後は、必要以上にテクニックを誇示することなく、ロマンティズムの溢れる演奏を持ち味とするピアニストとなった。グレン・グールドのような激しさではなく、叙情性豊かなか表現でバッハの音楽を届けてくれた。
教会音楽・宗教音楽が盛んだった時代の作曲家バッハにとって音楽とは、曲をつくるということは、常に神を意識した宗教的な行為だった。
作曲は「祈り」だ。
その敬虔な気持ちに寄り添ってペライアは演奏しているように見える。
その演奏を聴くと神聖な気持ちになれる。
- アーティスト: 曽根麻矢子,バッハ
- 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
- 発売日: 1999/05/26
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チェンバロ演奏による名盤も紹介したい。このCDは、日本人チェンバリストである曽根麻矢子さんによるものだ。パリ市内の教会で録音されたというこのCD。第一変奏が始まる前の深呼吸。何よりも私はこの部分に強く打たれる。これから始まる演奏に備えて深く呼吸をして、バッハの祈りに寄り添う。
2つのCD。
ピアノとチェンバロというように楽器は違うが、バッハに寄り添って、神と向き合う、神聖な演奏のように見える。
今日も眠りの話はどこかにいってしまった。