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クラシック名盤・名曲と消費 生活 趣味

クラシック名曲・名盤ガイドブックをレビューする


最近では「ベストクラシック100」のようなCDも出て、コアなファンや愛好家だけのものではなくなってきたクラシック音楽

裾野が広がっているのはクラシックファンの一人としてうれしいことだ。

でもクラシックという膨大なアーカイブをどうやって探訪すればいいのか?


詳しい人に聞いても、

「まずはカラヤンを聴くべきだ」といわれたかと思うと、

カラヤンはやめといたほうがいい」と反対のアドバイスを受けることも。

「〜を聴くべきだ」なんて。

趣味なのに義務?

こういう閉鎖的なところがクラシック音楽の世界を狭めてしまう原因なのだが。


ところでクラシック初心者の名曲探求の道しるべとなるものに、名曲・名盤ガイドブックがある。

私も聴き始めたときはこの類のものを結構読んだ。


◇  ◇  ◇


クラシックCDの名盤 (文春新書)

クラシックCDの名盤 (文春新書)

名曲・名盤ガイドブックとして定評のある一冊。選者は宇野功芳福島章恭、中野雄の三氏。こういう本の特色として「客観的」であるということを強く打ち出しているものがあるが、本書もその例に漏れない。権威的に過ぎないか?古い録音が多い。しかし信念を持った音楽評論家の意見なので説得力はある。できれば読者は、それをそのまま鵜呑みにせずに大らかな視点で接してあげて欲しい本だ。3人の選者の中では私は中野さんの選定盤が肌に合う。


クラシックCD名盤バトル 許光俊vs鈴木淳史 (新書y)

クラシックCD名盤バトル 許光俊vs鈴木淳史 (新書y)

痛快な一冊。二人の著者(許光俊鈴木淳史)が、一曲につきバトル形式で一枚ずつ名盤を挙げている。非常に個人的な嗜好で書いている点が面白い。名盤を紹介してやろうという肩肘張ったところがなく、自由闊達に持論が展開されている。「客観性」をまとわずに、「好き」、「嫌い」で書いているのがとても自然だ。定評のある録音もけなしているところなど、上記の『クラシックCDの名盤』のカウンターカルチャー(対抗意見)として詠みたい本だ。


クラシックがわかる超名盤100 (ON BOOKS 21)

クラシックがわかる超名盤100 (ON BOOKS 21)

著者は諸石幸生氏。『クラシックがわかる超名盤100』というタイトルの通り、100曲に絞っている点が良い。収録曲が少ない分、一曲ごとの解説がしっかりされている。曲ごとに紹介されているCDは1枚だが、古い録音から新しい録音までバランスよく載っている。現代音楽に多くのページが割かれている。


これは決定版。複数の選者が持ち点6点を、1位に3点、2位に2点、3位に1点をつけ、曲ごとに最高のCDを選ぼうというもの。曲も多いし沢山のCDが紹介されている。選定の基準なども聞ける。時代ごとに名曲・名演のイメージも変わってきてるんだな〜と思える。


クラシックCDガイド―現代の名演奏を聴く (岩波アクティブ新書)

クラシックCDガイド―現代の名演奏を聴く (岩波アクティブ新書)

いまいちばん気に入っているのがこれだ。特色は1940年以降に生まれた指揮者、演奏家の演奏に限っている点。日本人では指揮者の佐渡裕さんや大植英次さん、外国人ではラトルやゲルギエフなどいま絶好調の指揮者から、注目の若手ダニエル・ハーディングの録音などが紙面を飾る。新しい録音なので音が素晴らしいものが多い。


◇  ◇  ◇


いろいろガイドブックがあるが、信じる信じない、参考にするしないは自由だ。

自分が好きだと思える演奏に出会うことができれば幸せだ。


このブログでは私が素晴らしいと思えるCDを引き続いて紹介していきたい。


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