ベートーヴェン・交響曲第4番〜カルロス・クライバー盤
交響曲全集を揃えて損がないほど、ベートーヴェンの交響曲は全てが傑作だが、私が特に気に入っている曲が第4番だ。
しかしこの4番。表題がないこともあってか、クラシックファンは別として、一般的には名曲の仲間入りができていないように思う。
まず、位置が不利だ。前には3番「英雄」という、当時の交響曲の常識を打ち破った「超」巨大な作品が陣取り、後ろには第5番「運命」という、交響曲というジャンルの全ての魅力が凝縮した濃密な作品が位置している。
しかし、「英雄」、「運命」の二つが、聴き手に対して覚悟を強いるのに対し、
第4番は、どんな気分のときにでも聴ける名曲だ。
それでいてベートーヴェンの音楽の崇高な部分を味わうことができるから、私は好んでよく聴いている。
◇ ◇ ◇
3番「英雄」>5番「運命」>4番>9番「合唱」>2番>7番>6番「田園」>8番>1番
となる。
(1、2、4、8番は、クラシックファン以外にはさほどポピュラーとはいえないが、一般的にはどうなのだろう。)
私は、第9番「合唱」もかなり好きなので、こうやって整理してみると、5番と9番との間に割って入っているのには、自分のことながら改めて驚いてしまう。
(もっとも、この順位はかなり変動するので、1ヵ月後にはまた別の順位となっている可能性が高い。)
この曲のCDには幸いなことにベストなものがある。
- アーティスト: クライバー(カルロス),ベートーヴェン,バイエルン国立管弦楽団
- 出版社/メーカー: キングインターナショナル
- 発売日: 2003/03/05
- メディア: CD
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ブログを始めて最初の頃に、カルロス・クライバーのことを書いたときに挙げたCDがそれだ。
ライブ録音の緊張感がみなぎる傑作だ。
私はこのCDをはじめて聴いたときに驚愕した。他の指揮者・オーケストラの演奏とまるで違うのだ。とにかくオーケストラの鳴りが素晴らしい。この鳴りっぷりがただごとでないことは生でなくてもよくわかる。それほど新しいCDではないが、これほど密度の濃い演奏が詰まったCDというのは珍しいと思う。
このCDは私にとってベートーヴェンの交響曲第4番のベストにしてスタンダードな演奏だ。