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燃えるクラシック曲・チャイコフスキー交響曲第4番


一般にクラシックという音楽ジャンルは敷居が高いと思われているが、「燃える曲」というのが少なくない。


ベートーヴェン交響曲第7番、ブラームスの1番、ドボルザークの「新世界より」、マーラーの2番「復活」、ラヴェルボレロだってそうだ。

「燃える曲」とは、曲を挙げただけで、指揮者の熱い指揮とオーケストラの熱演が目に浮かぶ、そんな曲だ。


最初にこういう「燃える曲」をコンサートなどで聴くことができたら幸せだが、

最初に、ストラヴィンスキーの『春の祭典』、シェーンベルクの『浄夜』などに出会ってしまったら、

不幸というしかない。

クラシックが嫌いになってしまうのではないだろうか。


いやいや、私がそう思うだけなのかもしれない。

他のジャンルで豊かな音楽体験を持つ人なら、意外と楽しめるのかもしれない。


◇  ◇  ◇


私が「燃える曲」としてフィーチャーする曲は、チャイコフスキー交響曲第4番だ。


チャイコフスキーについては、このブログでは交響曲第5番と第6番「悲愴」について書いたと思うが、

「燃える曲」という点では、第4番が筆頭に挙がる。


チャイコフスキーの4、5、6番はすべてが傑作だが、面白さではこの3曲の中で一番だと思う。

曲はスタンダードな4楽章構成で、最終的に勝利で終わるという、典型的な交響曲だが、とびきり面白い第3楽章と第4楽章を備えている。


第3楽章は、弦楽器がピチカート奏法(弦をはじく奏法)だけで演奏される。ヴァイオリンからコントラバスまで全部そうだ。

これはおもしろい。どこかコミカルな感じを受けるメロディだ。


第4楽章は、もうお祭り騒ぎだ。

「管」も「弦」も「打」も冒頭から熱く咆哮する。

途中、運命の動機のように不吉で激しい旋律が流れるのだが、それも熱狂のうちにかき消される。


勝利で終わる、というよりも、熱中しているうちに勝ち負けなんかどうでも良くなって、熱狂のうちに終わる、そんなイメージだ。

これは普段、ロックとかジャズを聴いている人に是非、聴いてみていただきたいと思う。


まさしく「燃える曲」だ。


こういう曲を涼しげな演奏で聴くというマニアックな楽しみもあるが、普通は燃える演奏で聴きたい。

となるとゲルギエフだ。


チャイコフスキー:交響曲第4番

チャイコフスキー:交響曲第4番


これはウィーン・フィルとのライブ録音のCDだ。熱い演奏だ。モーツァルトを演奏するときのウィーン・フィルとのあまりの違いに、ゲルギエフが猛獣使いに見えてならない。


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