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香川県・さぬきうどん出張


徳島県に続いて香川県に出張して、一昨日帰ってきた。

「徳島ラーメン」の次は「さぬきうどん」だ。


◇  ◇  ◇


香川県ではうどんが生活にとても密着している。


朝7時くらいからからうどん屋が開いていて、ミラノのビジネスマンがエスプレッソを引っ掛けてオフィスに向かうのと同じく、香川県のビジネスマンはうどんをすすってから、それぞれの職場へと散っていく(ホンマかいな)。


昼はセルフサービスのうどん。サイドメニューを取って、うどんと一緒に食べる。

夜は一杯飲んだ後、うどん。


風邪を引いたらうどん。

胃の調子が悪かったらうどん。

おやつに「うどんかりんとう」。


とにかく、生活にうどんが密着している。


私も香川県に出張したとき、朝はホテルの朝食を食べずに(たとえ朝食つきだったとしても)、近所のうどん屋で済ませることにしている。


香川県のうどん店は、(1)セルフ(セルフサービス)、(2)製麺所タイプ(製麺所がうどん店を兼ねる店)、(3)一般的なお店、という三種類に分類される。


(1)のセルフというのは、一口にセルフサービスとは言っても、トレーをもってうどんを注文し、サイドメニューを自分で取って、出来上がったうどんを受け取り、レジに向かうという普通のセルフから(だしは自分でかける)、

麺を自分で湯がいて、葱を自分で切り、どんぶりを自分で洗う、つわもののセルフサービスまで様々だ。

価格は、小で100円〜150円くらい。


(2)の製麺所タイプというのは、本来は食堂など向けの麺の生産をしている工場なのだが、工場の横でうどんを食べせてくれる店である。

価格は上と同じくらいか、やや安い。

坂出市には、「日の出製麺所」という、昼の11時半から12時半の、1時間しか営業しないという、恐るべき店がある。製麺所の横の小屋みたいなところで(相席で8人くらいしか入れない)、出来上がったばかりのうどんを食べるのだ。葱は自分で切るし、サイドメニューのちくわ天は、タッパーに入ったものを勝手に取って食べる。その後、食べたものを申告して勘定を済ませる。


さぬきうどんの世界を面白くさせているのは、(1)と(2)だと思うが、(3)は普通のうどん店で、様々なタイプのある香川県でも実は普通の店が一番多い。

価格は(1)と(2)に比べるとかなり高いが、それでも「かけうどん」で350円くらいだ。


◇  ◇  ◇


今回は仕事で香川県を訪れたのと、高松市中心だったので、あまり毛色の変わった店を訪れることは出来なかった。

でも日常に密着したうどん屋に行くことができた。


■さか枝(さかえだ)…高松市

早朝から営業している。朝食うどんの定番。野菜のかき揚げがおいしい。コロッケ、てんぷら他、サイドメニューも豊富。オフィス街の県庁裏にあって、朝も夜も人で溢れる。


■おか泉…宇多津町

「ひや天おろし」が絶品。セルフの多い香川県にあるが通常の店構え。セルフではなく注文を取りにきてくれる。コシがあるのにかたくなく、絶妙な弾力があって素晴らしい麺。香川県にはいろいろなうどん屋があるが、「おか泉」は、どんなメニューを食べても感動的なおいしさで、万人受けするうどん屋だと思う。私が一番好きな店だ。


鶴丸高松市

深夜うどん店の定番。フェリー通りに面している。カレーうどんが定番だが、少々お腹をこわしていたので、それよりはお腹にやさしいと思われる「肉ぶっかけ」を注文。麺はコシがあってやはりおいしい。


■うどん家五右衛門…高松市

鶴丸と並ぶ深夜うどんの定番。鶴丸から近い。カレーうどんが絶品だが、お腹のことを考えてざるうどんを注文。つゆに深みは感じられなかった。麺は文句なくおいしい。


■上原屋本店…高松市

ここのだしは澄んでいる。透明に近い。澄んでいるのにしっかりとだしの味がある。やみつきになりそうだ。これから朝うどんはここにしよう。サイドメニューもおいしい。コロッケの巨大さ(厚み)に圧倒される。


■なかにし…高松市

手前はゲソ天。太目の麺。ファンが多いのも頷ける。早朝から営業しているので、車での遠出の前に最適だ。


◇  ◇  ◇


さぬきうどんは何度かブームを経験していて、最近公開された映画『UDON』によって、またブームが再燃している。


私は「さぬきうどん」について、村上春樹さんの『辺境・近境』の中の「讃岐・超ディープうどん紀行」というエッセイで取り上げられていたのを読んで、香川県に行って初めて体験した。



朝からうどん?

自分で湯がく?

自分で葱を切る?

食べたものを申告?


確かに、村上さんが言うように「ディープ」な世界だった。


何度かの香川県探索の後も、

「さぬきうどん世界の広がり」は驚嘆すべきもので、興味は尽きない。


辺境・近境 (新潮文庫)

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恐るべきさぬきうどん―麺地巡礼の巻 (新潮文庫)

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このブログは、さぬきうどん情報のブログではないので、店の住所などは載せない。詳しい情報はさぬきうどんのサイトを参照していただきたい。
→さぬきうどん情報のページ「enjoyさぬきうどん」


朝から晩までうどんばかり食べてきたので、くしゃみをしたら鼻からうどんが飛び出しそうだ。


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