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寒い日にはシベリウスを・交響曲全集


朝晩は寒さを感じるようになってきた。

気候に肌寒さを覚えるようになると、シベリウスの季節だ。


ジャン・シベリウス(1865年12月8日-1957年9月20日)はフィンランドの作曲家だ。


私はシベリウスが好きだ。

シベリウス交響曲を聴いていると、癒されるというか、とても落ち着いた気持ちになる。


ベートーヴェン交響曲のような人間的なドラマは皆無。

「闘争」もない。


シベリウス交響曲は、ブラームスよりもさらに地味で、交響曲としての盛り上がりには欠ける。

ポピュラーな名曲とは一線を画す。

難解なわけではないし、旋律もわかりやすいが、極度に内省的だ。

しかも後に出来た交響曲ほどいっそう地味になっていく。

飾り付けは最低限。

虚飾はなし。

演奏効果というものに関心が少ないのではないかと思う。

これほど知名度のある作曲家なのにコンサートでもそれほど取り上げられない。


シベリウス交響曲は、余分なものが削ぎ落とされている。


その結果、純粋としか言いようのないものが残る。


スケッチされるのは北欧の自然。

冬でなくてもいいが、気候の違う日本では冬に聴くのが一番ふさわしい。


シベリウス交響曲は、透明なガラスや、氷を思わせる。

そしてとても純粋なもの。


水道水を凍らせて氷にすると、曇った氷が出来る。

それは違う。

茶店で出される水に浮いている氷は透明。

あれだ。


その純粋さに打たれ、浮世のチマチマしたことで悩んでいたな〜と思えるのが、シベリウス交響曲だ。


「心が寒い日にもシベリウス」だ。


◇  ◇  ◇


土俗的な旋律が残る、ドボルザークなどを思わせる1番。


1番の路線の延長線に書かれているが将来の方向性を予感させる2番。


後期作品への過渡的な位置にあり、実験性が見える3番。


渋い。晦渋の極みの4番。


シベリウスの音楽世界の充実が、結晶となって現れた5番と6番。


不純物が完全にろ過されたかのように遂に単一楽章となった7番。


◇  ◇  ◇


何度聴いても飽きないCDがある。


ベルグルンド盤

シベリウス:交響曲第1、2、3番

シベリウス:交響曲第1、2、3番

シベリウス:交響曲第4&6番

シベリウス:交響曲第4&6番

シベリウス:交響曲第5番&第7番

シベリウス:交響曲第5番&第7番


■ヴァンスカ盤

シベリウス:交響曲全集 (4CD) (Sibelius: The Complete Symphonies) [Import]

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サカリ・オラモ

シベリウス:交響曲全集

シベリウス:交響曲全集


シベリウス交響曲の演奏は、シンプルなものが良い。


中でもフィンランド人の指揮者、パーヴォ・ベルグルンド指揮によるヨーロッパ室内管弦楽団演奏のCDは宝だ。


他にもたくさんあるかもしれないが、これだけで私は他に何もいらないと思えるくらい満足してしまうのだ。


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