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ワーグナー・管弦楽名曲集


リヒャルト・ワーグナーヴァーグナー)。


この巨人をどう攻略していったらよいか。

クラシック音楽の最高峰のひとつ(のはず)だ。

なにしろ高い頂だ。登頂口はどこにあるのだろう?


ワーグナーの最大の作品『ニーベルングの指輪』(以下『〜指輪』)は上演に4夜を要する。

世界を支配できるという指輪をめぐる、小人族や巨人、神、人間の争いを描いたもの。


ワーグナーは音楽から台本まですべてを自ら手がけ、おまけに自らのオペラを上演するための歌劇場を建設させた。

それがバイロイト歌劇場で、そこで毎年夏に行われるバイロイト音楽祭は、ワーグナー作品しか上演されない(ベートーヴェンの第九は例外)。


『〜指輪』は、長大な作品なので日本では上演することもそれほどないのだが、2006年の1月にゲルギエフがマリンスキー歌劇場とともに来日して、東京文化会館で、4日間×2公演を行った。


現代のカリスマ指揮者・ゲルギエフによる『〜指輪』。


私はこの公演のニュースに衝撃を覚えたものの平日に東京に行くことは不可能なのでチケットの取得を断念したのだった。


(チケット代が、S席で47,000円×4夜というのもすごかった。通しで観たら188,000円!一番リーズナブルなF席でも9,000円×4夜)


◇  ◇  ◇


ワーグナーは音楽的な才能に加えて強力な政治力・実行力の持ち主で、性格的には相当にアクの強い人物だったらしい。また思想的にも反ユダヤ思想を持っていたらしく、現在でも世界中で自由に演奏できるという作曲家ではない。


とても友達にはなれそうもないが、残された作品は傑作としか言いようがない。


タンホイザー』、『ローエングリン』、『トリスタンとイゾルデ』、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、『パルジファル』など、その作品は音楽史に燦然と輝く。


ベートーヴェン交響曲というジャンルの革新を成し遂げたように、ワーグナーはオペラというジャンルの革新を成し遂げ、自らのオペラを、音楽プラス演劇という意味を込めて「楽劇」と名付けた。


ワーグナーの世界というのはすごく深くて入り込んだら出て来られなくなりそうだ。


しかし、ただでさえ長大なオペラ作品のCDを、全部揃えていったら身が持たない。

CDの置き場所にも困る。


そこで、序曲集・名曲集という素晴らしいものがある。



歌劇場付きのオーケストラでないシカゴ交響楽団の演奏能力は凄まじい。オペラだったらその後の演奏のことを考えてセーブしそうなものだが、序曲集のための演奏なので話は別だ。ものすごい迫力だ。

タンホイザー』はロマンチック。『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は雄大。『トリスタンとイゾルデ』は、官能的。


トリスタンとイゾルデ』は、オペラの内容は、愛してはならない人を愛してしまうという禁断の愛の話なのだが、序曲から、「犯してはならない一線」を音楽的にも表わしていて、うねるような音階にのめりこんでしまう。


『〜指輪』もハイライト集が出ている。

ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」~オーケストラル・ハイライツ

ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」~オーケストラル・ハイライツ


全曲盤を揃えると14〜15枚にもなるので聴くのが大変だが、好きな人にはこたえられないのだろう。

私は正直言って、ハイライト集でお腹いっぱいになってしまった。


名曲集の中に好きなものが見つかったら全曲盤、あるいはオペラ鑑賞に進みたい。


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