モーツァルトのホルン協奏曲・全4曲・「高尚」
何かの世間話の際に、「クラシックを聴いています」と、全く興味のない人に言うと、「へえ、高尚ですね」と言われることがある。
「クラシックなんか聴いてお高くとまってんじゃね〜か、コニャーローメ」と思われているかもしれない。
考えすぎ?
だがそう思われたら誤解だ。
困る。
高尚さを狙って、背伸びして聴いているつもりはないのだから。
(ちなみに「高尚」の反対語は、「低俗」だそうだ。)
大体、クラシック音楽というくらいだから古めかしい音楽には違いないのだが、聴いている本人にとっては、刺激的でアバンギャルドにさえ聴こえているものだ。
新しい演奏、名曲との出会いは、新鮮な驚きに満ち溢れているものだ。
でも逆に、「え!クラシックを聴かないんですか?」
と聴き返したら、喧嘩が始まる。
で、「高尚ですね」と言われた後の返答・相槌に窮していた時期があったのだが、「なかなか良いですよ」ぐらいに答えておいたほうが収まりが良い。
言っている方にも、悪気はないのだと。
「ラップを聴いている」と言われたら、私も「…」だ。
『のだめカンタービレ』の影響でクラシック音楽のファン層が広がっているのは嬉しい。
◇ ◇ ◇
さてさて。
モーツァルトのホルン協奏曲はとても貴族的で、何というか「趣味の良い曲」だ。
- アーティスト: オルフェウス室内管弦楽団,モーツァルト,ジョリー(デイヴィッド),パーヴィス(ウィリアム)
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2005/12/14
- メディア: CD
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きっと、こういう曲を聴いて過ごすとスクスクと素直に育っただろうなと思う。
モーツァルトはホルン協奏曲を全部で4曲書いたが、現在知られているのは、2→4→3→1番の順番で作られたということ。とくに3番と1番は、モーツァルトの後期作品に特有の、澄み切った、一筆書きのような潔さと、諦観とが入り混じった、非の打ち所のない作品となっている。
3番は後期のピアノ協奏曲第を思い出させる名曲。1番は、バラエティ番組の料理コーナーのBGMにも使われたのが残念なくらい(残念なことにそのシーンを思い出してしまう)、優雅な曲。
こうして聴いてみると、「高尚」と言われるのもわかる気がする「趣味の良い曲」だ。
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