速筆のモーツァルト・交響曲第36番「リンツ」
モーツァルトが27歳のとき、わずか4日間で作曲されたのが、交響曲第36番「リンツ」だ。
リンツは、オーストリアの町で、ザルツブルクとウィーンのちょうど中間くらいにある。
私は行ったことがないが、とても美しい街らしい。
「リンツ」は、リンツ滞在中、演奏会にあたって手持ちの交響曲がなかったモーツァルトが、急遽仕上げた曲だ。
曲は4楽章構成で、モーツァルトの交響曲としては初めて、第1楽章に序章を付けている。
私は「リンツ」が好きだ。
第1楽章と第4楽章の、クルクル変わる表情とスピード感。
しっとりとした歌のある第2楽章。
第3楽章の踊るようなメヌエット。
かっちりとした構成のなかに、小さな美しさが感じられる。
◇ ◇ ◇
CDは、愛聴に足るものがいくつかある。
■ケルテス盤
- アーティスト: ケルテス(イシュトヴァン),モーツァルト,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/05/24
- メディア: CD
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モーツァルト: 交響曲第38番ニ長調「プラハ」/交響曲第39番
- アーティスト: モーツァルト,ブリュッヘン(フランス),18世紀オーケストラ
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1996/06/05
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- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2002/06/26
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私は、ケルテスという指揮者に特別の思い入れがあるわけではないが、CDで聴く限り特別な指揮者だったのだろうと思う。出てくる音楽の美しさは格別で、早世(1970年代に海で事故死)が残念でならない。オーケストラもウィーン・フィルなので音色は最高だ。
ブリュッヘンの「リンツ」は過激だ。ピリオド奏法が生々しく、破壊的とさえいえる。いまでは、何の抵抗もなく聴くことが出来るが、この演奏が出た時は衝撃的だっただろう。38番「プラハ」も併録されている。
カルロス・クライバー盤はDVD。CDもいくつかのレーベルから出ている。「リンツ」は限られたレパートリーしかやらなかったクライバーのレパートリーのひとつ。クライバーの指揮は、他とは全く異なっている。クライバーはまるで蝶々を捕まえるような動き。踊るようで華麗ともいえるが、指揮を見ても良くわからないのではないか!?でもあらわれる音楽はスリリングで、手に汗を握る熱演だ。こういうのをカリスマというのだろうか。
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