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速筆のモーツァルト・交響曲第36番「リンツ」


モーツァルトが27歳のとき、わずか4日間で作曲されたのが、交響曲第36番「リンツ」だ。


リンツは、オーストリアの町で、ザルツブルクとウィーンのちょうど中間くらいにある。

私は行ったことがないが、とても美しい街らしい。


リンツ」は、リンツ滞在中、演奏会にあたって手持ちの交響曲がなかったモーツァルトが、急遽仕上げた曲だ。


曲は4楽章構成で、モーツァルト交響曲としては初めて、第1楽章に序章を付けている。


私は「リンツ」が好きだ。


第1楽章と第4楽章の、クルクル変わる表情とスピード感。

しっとりとした歌のある第2楽章。

第3楽章の踊るようなメヌエット


かっちりとした構成のなかに、小さな美しさが感じられる。


◇  ◇  ◇


CDは、愛聴に足るものがいくつかある。


■ケルテス盤

モーツァルト:交響曲第33番&第36番&第39番

モーツァルト:交響曲第33番&第36番&第39番

ブリュッヘン
モーツァルト: 交響曲第38番ニ長調「プラハ」/交響曲第39番

モーツァルト: 交響曲第38番ニ長調「プラハ」/交響曲第39番

クライバー
リンツ*交響曲第36番ハ長調 [DVD]

リンツ*交響曲第36番ハ長調 [DVD]


私は、ケルテスという指揮者に特別の思い入れがあるわけではないが、CDで聴く限り特別な指揮者だったのだろうと思う。出てくる音楽の美しさは格別で、早世(1970年代に海で事故死)が残念でならない。オーケストラもウィーン・フィルなので音色は最高だ。

ブリュッヘンの「リンツ」は過激だ。ピリオド奏法が生々しく、破壊的とさえいえる。いまでは、何の抵抗もなく聴くことが出来るが、この演奏が出た時は衝撃的だっただろう。38番「プラハ」も併録されている。

カルロス・クライバー盤はDVD。CDもいくつかのレーベルから出ている。「リンツ」は限られたレパートリーしかやらなかったクライバーのレパートリーのひとつ。クライバーの指揮は、他とは全く異なっている。クライバーはまるで蝶々を捕まえるような動き。踊るようで華麗ともいえるが、指揮を見ても良くわからないのではないか!?でもあらわれる音楽はスリリングで、手に汗を握る熱演だ。こういうのをカリスマというのだろうか。


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