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メンデルスゾーンの「スコットランド」


メンデルスゾーンスコットランド訪問中に着想されたものの、その後、年月を経て完成したのが、交響曲第3番イ短調スコットランド」だ。


名曲中の名曲であり、愁いを帯びた曲調にメンデルスゾーンの天才が見える名曲だ。


初めてこの曲を聴いたとしても涙できる。

そんな曲。

幽愁の美しさだ。


メンデルスゾーンは天才と言われる。


数々の名曲を生み出した作曲家であるだけでなく、マタイ受難曲を復活・演奏することで、歴史に埋もれていたJ.S.バッハを発掘し、また指揮者としても優れた指揮法を確立し、過去の名曲を演奏するという演奏会のスタイルを確立した。


難しいことをいとも簡単にやってみせて、それを全然、苦にしない。

人が10日かかることを1分で出来る。

あるいは普通の人には信じられないものの見方。

生まれついての天才が出現する確率は確かにある。

そういう才能がない人にとっては天才を賞賛するほかないのだが、思うに、メンデルスゾーンとはそんな人だったのだろう。


メンデルスゾーンは、38歳でこの世を去っている。


その短い生涯の中でも、交響曲第3番「スコットランド」は、第4番「イタリア」や劇音楽「真夏の夜の夢」、ヴァイオリン協奏曲と並んで、この作曲家の代表作といえる。


◇  ◇  ◇


CDは、愛聴しているものが2枚ある。

メンデルスゾーン : 交響曲 第3番 イ短調 作品56「スコットランド」

メンデルスゾーン : 交響曲 第3番 イ短調 作品56「スコットランド」

メンデルスゾーン:交響曲第3番&第4番

メンデルスゾーン:交響曲第3番&第4番

マークとクレンペラーは全く対照的な方法でこの曲に迫っている。マークは非常に美しい音楽を完璧に響かせ、聴かせる。ゾクゾクするほど美しい。「昨日録音した」といわれても信じてしまうほど録音状態が素晴らしく、40年以上前に録音されたのが信じられない。
クレンペラーは、まるで得意のマーラーを演奏するかのような追い込み方でメンデルスゾーンに迫る。第4楽章に情念のうごめく姿が感じられるような凄まじい演奏。毒すら感じさせる風貌で私に迫ってくる。


対照的なこの2枚が、私の中では双璧だ。


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