フランク・交響曲ニ短調
天才。
神童。
早熟型の天才の多いクラシック音楽の世界にも、晩成型の音楽家がいる。
ギュンター・ヴァント、ハイティンク。
ピアニストのルービンシュタイン。
作曲家のフランクもそうだ。
ベルギーのリエージュで生まれたセザール・フランク(1822年12月10日-1890年11月8日)が代表作である交響曲ニ短調を作曲したのは、1888年、60代も半ばを超えた頃だった。
◇ ◇ ◇
フランクは人生の大部分をパリで過ごしたため、フランスの作曲家の一人として数えられている。
フランスの作曲家というと、ドビュッシーやラヴェルなど、エスプリの漂う洒落たイメージが先行するが、フランクの交響曲ニ短調は、ドイツ風とも言ってよい重々しい曲となっている。
曲は、全3楽章構成。主題・動機が形を変えながら何度も登場する循環形式で書かれている。
円熟の交響曲だ。音楽が複雑に組み立てられる主題の循環が、無限の広がりを印象付ける名曲だ。
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この曲のCDは、ご当地フランスのオーケストラで聴きたい。
- アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),ドビュッシー,フランク,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,パリ管弦楽団
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2002/10/25
- メディア: CD
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- アーティスト: フランク,ジャン・マルティノン,フランス国立放送管弦楽団,フィリップ・アントルモン
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- メディア: CD
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カラヤン盤はパリ管・音楽監督時代のもの。2年間の音楽監督だったが、その時期のパリ管の最良の成果といえる。カラヤンはやはりオーケストラのコントロールが抜群だ。マルティノン盤は金管楽器の鳴りが素晴らしい。この曲は重厚なため鈍重になってしまう恐れがあるが、はじける金管により、素晴らしいバランスとなっている。