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舞踏の聖化・ベートーヴェンの交響曲第7番


ベートーヴェン交響曲第7番。


ワーグナーはこの曲を「舞踏の聖化」と呼んだ。まるでダンスを踊るように優雅でしかも勢いのある名曲だ。


曲は4楽章構成の古典的なものだが、全体的に支配するリズムが斬新で、とくに第3楽章と第4楽章のスピード感には手に汗を握る。


その一方で第2楽章はメランコリックでゾクゾクするほど美しく、これらが同じ曲の中で両立しているところに、交響曲7番の素晴らしさがある。


いま聴いても斬新であるということは、書かれた当初は相当にアバンギャルドな曲だっただろう。


この7番、クラシック音楽ファンには超有名な曲だが、「英雄」や「田園」などの標題がないことも手伝って、一般的にはさほどポピュラーな曲ではなかった。


しかし『のだめカンタービレ』でも取り上げられ、名実ともにポピュラーな曲の仲間入りを果たした。


◇  ◇  ◇


ベートーヴェン:交響曲第5&7番

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ベートーヴェン:交響曲全集III?第7番・第8番・第9番「合唱」

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CDはカルロス・クライバー指揮のものが素晴らしい。クラシックファンには定番といってもよいCDなので紹介するのは気が引けるのだが、このリズム感は病み付きになる。曲と心中するような熱演。これは度胸と勇気を競うチキンレースだ。崖に向かって猛スピードで走る。崖の寸前でピタッと止まるのがクライバーだ。

ヴァント盤はクライバーと全く違ったアプローチで迫る。リズムに流されたりスピードで破綻することは皆無。着実な歩みは常に一定。楽器のバランスも最良。もちろん音質は最高。残響音が素晴らしい。熱い曲。冷徹なタクトに凄みすら感じる。


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