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ドヴォルザーク・交響曲第8番


ドヴォルザーク交響曲第8番は、「イギリス」あるいは「ロンドン」と呼ばれることがあるが、曲の内容とは全く関係がない。この呼称は、金銭トラブルによって楽譜がこれまでの出版元ではなく、ロンドンの出版社から刊行されたことに因む。


ドヴォルザーク交響曲では第9番「新世界より」が「超」名曲だが、それに負けないポピュラーな曲だ(→「新世界より」についてはこちら)。


周知の通り、続く第9番「新世界より」はアメリカ時代のものなので、ドヴォルザークボヘミア時代の総括ともいえる作品に仕上がっている。


ドラマチックで、スリリングで、「オーケストラはこうでないと」と思う。こういう感覚は、「新世界より」と同じだ。


重い幕開けを打ち破るような勢いのある第1楽章。

第2楽章はアダージョ。哀しい始まりの音楽だが、やがて堂々とした音楽になる。

第3楽章の旋律の美しさは一聴に値する。ドイツでもロシアでもない、これがボヘミア流のメロディ(!?)。これは「泣ける」。

第4楽章は変奏曲。トランペットのソロによって導かれる。ドヴォルザークブラームスを敬愛し、ブラームスも若く才能溢れるドヴォルザークに支援を惜しまなかった。ドヴォルザークは、ブラームス交響曲第4番の第4楽章の変奏曲にインスピレーションを受けてこの楽章を書いたという。聴くと力が漲るような、覇気のあるフィナーレ。


◇  ◇  ◇


なにしろ第8番は曲自体が素晴らしいので、どのCDを買っても問題ないと思うが、私は以下のものを愛聴している。


ドヴォルザーク : 交響曲 第6番 & 第8番

ドヴォルザーク : 交響曲 第6番 & 第8番

ミュンフン×ウィーン・フィル盤は、「歌心」が素晴らしい。チョン・ミュンフンというといまや押しも押されぬ大指揮者だが、ピアニストとしても傑出している。チャイコフスキーコンクールのピアノ部門で2位になったこともある実績の持ち主だ。
ピアニスト出身の指揮者は、アシュケナージエッシェンバッハを聴いても感じるように、大体、メロディを美しく歌わせようとするもので、ミュンフンも同様。ただし、オーケストラのコントロールで数段勝る。きっと凄く厳しい人物なんだろう。音楽は断然、整理されているし、勢いもある。この指揮者の音楽を聴くと、カルロス・クライバーを聴いたときのような高揚感が得られるのだが、このCDも例外ではない。


ドヴォルザーク:交響曲全集

ドヴォルザーク:交響曲全集

ノイマン盤は全集から。チェコ・フィルの音色は、ウィーン・フィルに比べると多少、粗野に感じるが、こういう演奏はドヴォルザークにとても馴染む。お国ものをやっているプライドだ。勢いのある金管が素晴らしい。


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