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ドビュッシー・交響詩「海」×ブーレーズ/アバド


ドビュッシー交響詩「海」、正式名称「管弦楽のための3つの交響的素描」は、最も絵画に近い音楽だ。


音で描いたデッサン。

音符で描く情景。

そんな趣の曲だ。


曲は3つの部分から成る。

描かれるのは海に関する、次の3場面のスケッチ。


1 海上の夜明けから正午まで
2 波の戯れ
3 風と海との対話


◇  ◇  ◇


ドビュッシー(1862-1918)は印象派画家と同時代を生きたことで(モネ・1840-1926/シスレー1839-1899/ルノワール・1841-1919)、印象派に例えられるが、その音楽を聴いた印象は、私にとっては印象派とは少々異なる。


もっと尖っていて、色彩もさらに鮮烈だ。

朝凪の静けさ。嵐の激しさ。

もっと具体的だ…。


あ、これはターナーだ。


「海」を聴いた印象は、ターナーの波の絵を見た印象と似ている(→ターナーの絵画はテート・ブリテンの「ターナー・オンライン」を参照)。


ドビュッシー:海

ドビュッシー:海

マーラー:交響曲第2番

マーラー:交響曲第2番


CDはブーレーズ盤が、録音・演奏ともに申し分ない。この曲のスタンダードと言って良い。
アバド盤は、ルツェルン祝祭管とのライブを収めた2枚組みCDで、マーラーの第2「復活」とのカップリング。買った当初、私は「復活」ばかり聴いていて、「海」の方を全く聴いていなかったのだが、しばらくして聴いて仰天した。なんという演奏。アバドらしい、やや軽めの音が素晴らしい。アバドはこういう複雑な曲の扱いに非常に長けている、と思う。しかし何度聴いてもライブというのが信じられない完成度の高さだ。


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