USHINABE SQUARE

クラシック名盤・名曲と消費 生活 趣味

「カルメン」組曲×チョン・ミュンフン×パリ・バスチーユ菅


メリメの同名小説を原作とするオペラ「カルメン」は、ジョルジュ・ビゼー作曲、フランス語オペラの傑作だ。


舞台はスペイン、タバコ工場で働くジプシーの女・カルメンに魅せられ翻弄され破滅に至る、衛兵ドン・ホセの物語だ。


CDは、そのオペラの「カルメン」ではなく、組曲の方だ(カップリングは組曲アルルの女」)。


ビゼー:≪カルメン≫組曲 ≪アルルの女≫第1・2組曲/小組曲≪子供の遊び≫

ビゼー:≪カルメン≫組曲 ≪アルルの女≫第1・2組曲/小組曲≪子供の遊び≫


オーケストラによる組曲は、作曲者のビゼー自身が残したものではなく、フリッツ・ホフマンの選曲・編曲による、第1組曲と第2組曲が有名。


このCDは、さらにそこから、パリ・バスチーユ菅の音楽監督時代のチョン・ミュンフン選曲によるひとつの組曲となっている。


携帯電話の着メロにも入っているくらい有名な前奏曲組曲では「闘牛士」の部分)ほか、名曲ばかりが収められている。


◇  ◇  ◇


第1曲「闘牛士」。「カルメン」のなかで最も有名な曲。攻撃的な曲。そしてラテンの底抜けの明るさ。思わず走り出したくなる。
第2曲「前奏曲」。若い兵士ホセの未来に暗い影が見えるようで、不安感を抱かずにいられない。
第3曲「アラゴネーズ」。情熱的。フラメンコのようだ。
第4曲「衛兵の交代」。厳めしい中にどこかコミカルだ。
第5曲「間奏曲」。フルートとハープによるシンプルで幻想的な曲。
第6曲「セギディーリャ」。カルメンの魅惑的で軽妙なアリア。
第7曲「アルカラの竜騎兵」は心にずっしりと響く物悲しいスペイン風の民謡。
第8曲「ジプシーの踊り」。ただ愉しい。ぐんぐんスピードアップしていって最後はものすごい盛り上がりで曲が終わる。


はじけるようなリズム感。カラフルとしか表現しようのないオーケストラのキラキラした音色。目にも楽しい御馳走を前にした時のような鮮烈なインパクト。食べる前には期待。食べている最中は感動。食べた後は余韻。食べたかなり後には記憶がいつまでも残る。


パリ・バスチーユ菅の演奏はさすがお国もの。ドイツともイタリアともイギリスとも、アメリカとも日本とも違う、ラテン系の華やかで尖った演奏だ。


パリ・バスチーユ菅とチョン・ミュンフンの蜜月の時間は短かったが、その時の最良の成果の一つ。


(↓面白かったらブログランキングに投票して下さい。)
にほんブログ村 クラシックブログへにほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
人気blogランキングへ