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サン=サーンス・交響曲第3番「オルガン付き」


サン=サーンスの代表的な交響曲は、「オルガン付き」の表題を持つ交響曲第3番だ。


ピアノとオルガンの名手でもあったサン=サーンスがオルガン独特の音響効果を駆使して書いた曲だけあって、オルガンは時に華やかに独奏的に、時にオーケストラと溶け合う。オルガン付き交響曲。この曲の音響体験は独特なものだ。


様々な楽器が活躍するのでエンターテイメントとして楽しめるだけでなく、オルガンという楽器の宗教的な響きによって、敬虔な気持ちにもさせてくれる曲だ。


◇  ◇  ◇


「オルガン付き」は、2楽章からなるが、それぞれの楽章が2部に分かれており、実質的には4楽章の交響曲と変わらない伝統的な構成といえる。


第1楽章。第1部。うねるような音楽。繰り返される主題。何となくフランクの交響曲のようだ。
第2部。ゆったりとして情緒的なメロディ。オルガンが静かに登場する。オーケストラをサポートするかのように、落ち着いた音色で奏でる。深い思索を助けてくれるような音楽。

第2楽章。第1部。スケルツォ風で悲劇的。弦、菅に加えて、2台のピアノも活躍する。
対照的に第2部はオルガンの華々しい音色で幕を開ける。オルガンの響きは感動的だ。そしてクライマックス。コーダの盛り上がりは相当なものだ。オーケストラとオルガンが一体となって燃焼する。これは生で聴いたらどんな感動が得られるだろう。ゴクリ。


サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」/フランク:交響曲ニ短調

サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」/フランク:交響曲ニ短調

アンセルメ盤はこの曲の名盤として名高い。いまから40年以上も前の録音だが、メンデルスゾーンの「スコットランド」のペーター・マーク盤もそうだったが(同じ頃の録音)、DECCAの録音技術の高さから音質はかなり良い。全体を通してゆったりとしたテンポで繰り広げられる音のドラマ。低弦の迫力。凄い。残響が素晴らしく、金管楽器の咆哮も生々しい。


サン=サーンス:交響曲第3番

サン=サーンス:交響曲第3番

デュトワ盤は、もっとスマートで洗練されている。とにかく文句の付け所のない名演で、名人オーケストラを実感する。日常的に聴いているのはこちらだ。部分的に言うと、第2楽章第2部のオルガンが聴きどころだ。オルガンの音量レベルが大きめに録音されていて、とにかく目立つ。聳える岩壁のようだ。私は最初にこのCDを聴いたとき体中を電気が走るようなインパクトがあった。興味のある方は一度体験を。


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