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シベリウス交響曲第7番×C.ディヴィス×ロンドン響


冬なのに今日は一日蒸し暑いとさえいえる陽気だった。
暖冬は、北欧の氷河のようなシベリウスの音楽を聴くにはふさわしくないような気もする。


私はシベリウスをかなり好きなのだが、シベリウスの曲はブラームスチャイコフスキーの曲と違って大きな起伏は少なく、人間的なドラマも少ない。

要するに一般受けしないのだが、ファンは少なくない。

厳しく美しい北欧の自然をモチーフにしたシベリウスの音楽が、古来から四季と美しい自然を愛してきた日本人の心とシンクロするのだろうか。


しかしシベリウス交響曲の中でも一般受けしない曲の筆頭が、4番と7番だろう。

7番。私も最近ようやくこの曲の魅力に気付いた。

(つい1ヶ月ほど前のことだが、6>5>4>2>3>7>1の順で好きだと書いたが、いまは7番は5番に次ぐ。→その記事はこちら

シベリウスの7番に私はシビレている。

シベリウスイヤーの今年、演奏を心待ちにしているが、機会があるかどうか。


◇  ◇  ◇


交響曲第7番は単一楽章で、初演時は「ファンタジア・シンフォニカ(交響幻想曲)」というタイトルだった。

シベリウスは最終的にこの曲を7番目の交響曲とし、結果的にシベリウスの最後の交響曲となった。


形式は意味をなくし、これ以上、濾過しようのなくなった要素だけが残ったかのような曲だ。

シベリウスのこれまでの6曲の交響曲の色々な素晴らしい要素が凝縮したような曲だ。


ティンパニと弦によって導かれる冒頭の音階の上昇。世界に一人で残されたかのような寂しさを感じさせる。

その後フルートなどの管楽器が入る。寄り添うのは音楽だけ。その後は音の洪水に襲われるのみ。


シベリウス:交響曲第5番、第6番&第7番

シベリウス:交響曲第5番、第6番&第7番

CDは、コリン・デイヴィスのロンドン響との録音が素晴らしい。デイヴィスはボストン響との録音が古くから名盤だったが、新しい録音も円熟の技を見せる。オーケストラがロンドン響なので、後述のベルグルンド盤と比べると、シンフォニックな魅力ではこちらの方が上かもしれない。でもオーケストラの威力に任せた演奏ではない。繊細。隅々まで神経が行き届いた演奏。シンプル。「スッキリしているのにコクがある」というとまるでビールのキャッチコピーのようだが、まさにそんな演奏。


シベリウス:交響曲第5番&第7番

シベリウス:交響曲第5番&第7番

ヨーロッパ室内菅×ベルグルンド盤は、少人数のオーケストラのよさを生かした演奏だ。アンサンブルは完璧で、音色は美しく儚い。言いようのない寂しさが襲った。


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