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リスト・ピアノ協奏曲第1番


パガニーニのヴァイオリンの超絶技巧に接し「ピアノ界のパガニーニになる」という決意を持ったというエピソードを持つ作曲家リストは、ピアノの巨人であるばかりか、交響詩というジャンルを生み出した音楽史上の巨人でもある。


リストというとフジコ・ヘミングの弾く「ラ・カンパネッラ」が最近ではとくに有名だが、リストの作品のジャンルは多岐に渡っており、網羅的に聴いていくのはなかなか大変だ。


私が好んでよく聴くのはピアノ協奏曲第1番だ。


4つの部分からなる単一楽章の楽曲で、続けて演奏される。

激しく、複雑かと思うと、叙情的な部分やユーモラスな部分もあって、とらえどころのないような曲だが、暫くこの音楽に身を浸してみれば、リストの世界観に遊ぶことが出来る。


私がとくに好きなのはフィナーレの部分。ピアノとオーケストラが競うように盛り上がっていってラストに達するところだ。

「これは只事ではない」という感じがする。リストはまた『死の舞踏』というピアノとオーケストラのための作品を残したが、「あの世の入り口はこんな感じだろうか」と思った。


リスト:ピアノ協奏曲第1&2番

リスト:ピアノ協奏曲第1&2番


小澤征爾×ツィマーマン盤はこの曲の複雑な部分を全てストレートに音にしている感じ。オーケストラの音色はとても色彩感に溢れ迫力もある。ツィマーマンのピアノは魔人のピアノだ。ツィマーマンのピアノの音色は、ショパンの演奏では透明感があってとても綺麗だが、リストではさらに豪腕まで感じる。凄みのあるピアノだ。


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