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大フィル定期・第405回2日目・寸評


大フィルの定期に行ってきた。今期も残すところ2回。


大植英次音楽監督は病気療養のため、指揮者・プログラムともに変更。当初はマーラー交響曲第9番の予定。非常に楽しみにしていたので大変残念だが、予定通り会場に足を運んだ。

大阪フィルハーモニー交響楽団・第405回定期演奏会
2月22日(木)19:00開演/23日(金)19:30開演 
ザ・シンフォニーホール
指揮:クラウス・ペーター・フロール(大植英次に代わり)
曲目:モーツァルト交響曲第40番ト短調
チャイコフスキー交響曲第6番ロ短調「悲愴」
※指揮者変更に伴い変更


◇  ◇  ◇


モーツァルト交響曲第40番。


第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが指揮者を挟んで左右に位置する対抗配置。コントラバスは左の後方。指揮者のクラウス・ペーター・フロールさんは体格が大植監督と似ている。一瞬、勘違いしてしまった。

40番は指揮棒を持たずに指揮。

弦はビブラートを抑えた奏法。


細かい指示で音の縦の線を揃えたり、ハーモニーを美しくしようというよりは、モーツァルトの40番が持つ勢いを大事にしようという音楽作りのように感じた。


座席が1階の前方右だったので、第2ヴァイオリンの動きがよく見え、音もよく聴こえる。第1ヴァイオリンの美しいメロディを引き立てるように書かれたスコアがよくわかった。

テンポはかなり早い。これだけ早い40番は初めてだ。中でも第3楽章は異常に早かった。コンサートマスターの長原幸太氏を中心に、攻める。しかし他の奏者は速さについてこれていないようなところもあった。


第4楽章では細かく変わるテンポ設定で疾走感が際立っていた。


破綻すれすれのところで成り立つ疾風のような40番だった。


◇  ◇  ◇


チャイコフスキーの「悲愴」はマエストロ、指揮棒を携えての登場。


ステージ右手にヴィオラが位置する通常の配置。コントラバスは一番右。

コントラバスが私の前方にあったおかげで、この楽器の動きを良く観察することが出来た。

この曲は最初の音がコントラバスなら、最後の音もコントラバスだ。


第1楽章。金管が聴きづらい。これは席が悪いためだ。もっと後ろにすればよかった。ヴァイオリンが一生懸命、速いテンポについていこうとする姿が印象的だった。あと打楽器は地鳴りのように響いた。

私の席からは全体的に低弦がよかったように感じた。とくに第2楽章のチェロは良かった。

第3楽章。私はもっと抑制が効いた演奏が好みだが、こういう熱演もアリだ。音量も十分出ていた。ゲルギエフウィーンフィルによる「悲愴」のCDを思い出す。会場が一番熱中したのはここだった。

第4楽章は、萎んでいくのではなく、さらに膨らむような感じだった。コントラバスの最後の音が鳴り止んだ後、もう少し静寂があれば、もっと音楽に浸ることが出来たのにと思った(これは観客サイドの問題)。


◇  ◇  ◇


指揮者・プログラムの変更により当初はどうなるかと思ったが、聴いてみて、価値のある演奏会だったと納得。こういう熱演はコンサートならでは、だ。


モーツァルトの40番はやはり名曲だ。iPodで聴きながら帰った。

レヴァインウィーン・フィルの演奏は素晴らしく良かった。ウィーンフィルだけに、今日の熱演と比べると端整でハーモニーも非常に綺麗だ。録音を実演と比べるのもなんだが。


モーツァルト:交響曲第40番&第41番

モーツァルト:交響曲第40番&第41番



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