バレンボイム×メンデルスゾーンの『無言歌集』
『無言歌集』はメンデルスゾーンが残したピアノ曲集で、全8巻・全48曲に及ぶ。
曲数は多いものの、技巧的には簡素で、演奏時間も1分〜3分程度に収まる、小品といってよいくらいの曲ばかりだ。
非常に有名なピアノ曲「春の歌」も『無言歌集』に含まれる。
メンデルスゾーンの『無言家集』を聴いた印象は、詩集を読んだ時の感じに近かった。
共感を覚えるものもあれば、そうでないものもある。共感を覚える時があれば、覚えない時もある。
曲のキャラクターがしっかりしていて、文学に近い。そして文学の中でも短く、俳句や短歌と比べて自由な形式。自由詩だ。「瞑想」、「浮き雲」、「宵の明星」、「巡礼の歌」、「蜜蜂の結婚」など、そういえば曲のタイトルも詩のようだ。
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- アーティスト: バレンボイム(ダニエル),メンデルスゾーン
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1994/12/01
- メディア: CD
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バレンボイムの『無言歌集』は全48曲が収録されている全集だ(他に「6つの子供の小品」なども収録)。
「狩人の歌」、「道に迷って」、「ヴェネツィアの小舟」の1曲目と3曲目、「詩人の竪琴」、「民謡」、「春の歌」、「失われた幻影」、「追憶」、いずれも素晴らしい演奏。
バレンボイムのピアノは感傷的にならない。
訥訥としたシンプルな音の運びが詩的だ。
メンデルスゾーンの音の詩が、バレンボイムという語り手を通して読まれるみたいだ。
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