USHINABE SQUARE

クラシック名盤・名曲と消費 生活 趣味

バレンボイム×メンデルスゾーンの『無言歌集』


『無言歌集』はメンデルスゾーンが残したピアノ曲集で、全8巻・全48曲に及ぶ。

曲数は多いものの、技巧的には簡素で、演奏時間も1分〜3分程度に収まる、小品といってよいくらいの曲ばかりだ。

非常に有名なピアノ曲「春の歌」も『無言歌集』に含まれる。


メンデルスゾーンの『無言家集』を聴いた印象は、詩集を読んだ時の感じに近かった。

共感を覚えるものもあれば、そうでないものもある。共感を覚える時があれば、覚えない時もある。

曲のキャラクターがしっかりしていて、文学に近い。そして文学の中でも短く、俳句や短歌と比べて自由な形式。自由詩だ。「瞑想」、「浮き雲」、「宵の明星」、「巡礼の歌」、「蜜蜂の結婚」など、そういえば曲のタイトルも詩のようだ。


◇  ◇  ◇


メンデルスゾーン:無言歌集

メンデルスゾーン:無言歌集


バレンボイムの『無言歌集』は全48曲が収録されている全集だ(他に「6つの子供の小品」なども収録)。

「狩人の歌」、「道に迷って」、「ヴェネツィアの小舟」の1曲目と3曲目、「詩人の竪琴」、「民謡」、「春の歌」、「失われた幻影」、「追憶」、いずれも素晴らしい演奏。


バレンボイムのピアノは感傷的にならない。

訥訥としたシンプルな音の運びが詩的だ。

メンデルスゾーンの音の詩が、バレンボイムという語り手を通して読まれるみたいだ。


(↓本日のblog、面白かったらブログランキングの投票にご協力下さい。)
にほんブログ村 クラシックブログへにほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
人気blogランキングへ