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『カラヤンとフルトヴェングラー』(幻冬社新書・中山右介著)


フルトヴェングラーというと私にとっては伝説的な存在で、伝記に登場する人物のようで体温を感じないというか、身近な存在でない。逆にカラヤンは、私がクラシックを聴き始めた頃、リアルタイムの存在だった(カラヤンも全盛期ではなく晩年だったが)。田舎のレコード店にはカラヤンのCDくらいしかなかったくらい、クラシックといえばカラヤンだった。


レコード店でこんなことがあった。

私)モーツァルトの40番カラヤンのCDありますか?
−あるよ。
私)カラヤンのありますか?
−・・・。
私)音いいですか。
−さあ〜。

店員はなぜか不機嫌で不親切だった。今にして思えば、その店員はカラヤン嫌いだったのだろう(カラヤンにアンチが多いことは後で知った)。私はベームという指揮者も当時知ってはいたが、『妖怪人間ベム』みたいで何だか嫌だと思っていのだ。


◇  ◇  ◇


本書は、戦時下という緊迫した時代の人間ドラマは、クラシック音楽界という枠組みを越えて興味深く、一気に読み終えてしまった。


カラヤンとフルトヴェングラー (幻冬舎新書)

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カラヤンはいかにして、ベルリン・フィルの終身主席指揮者というポストを手に入れ、クラシック音楽界の帝王となったのか。


ヴィルヘルム・フルトヴェングラー1886年1月25日-1954年11月30日)。

ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908年4月5日-1989年7月16日)。

セルジュ・チェリビダッケ(1912年7月11日-1996年8月14日)。


この3人の指揮者の足取りを追う形で物語が展開する。

ベルリン・フィルという一オーケストラの人事が、3人の指揮者の人生が、演奏という行為自体が、政治に利用され翻弄された時代。

ヒトラー政権誕生後、第二次大戦中のドイツからストーリーは始まる…。


この本を読んだ後、フルトヴェングラーバイロイト盤を聴くと、感動もひとしおだ。


ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」

ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱つき》[バイロイトの第9/第2世代復刻]

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