ピアノソナタ全集の新旧名盤(バレンボイム/バックハウス)
以前に、全集CDが好きだという話を書いた(→ベートーヴェン交響曲全集)。
ピアノソナタでもそうだ。
とくにベートーヴェンのピアノソナタ全集とは、一生つきあっていきたいと思う。
通称で知られているものは、8番「悲愴」、11番「大ソナタ」、12番「葬送」、14番「月光」、15番「田園」、17番「テンペスト」、21番「ワルトシュタイン」、23番「熱情」、24番「テレーゼ」、25番「かっこう」、26番「告別」、29番「ハンマークラヴィーア」。
後期作品・30番〜32番の崇高な精神について、表わす言葉を私はまだ知らない。
これらの曲を様々な節目に聴いて、どんな感情を持つのだろうか。例えば34歳の時、47歳の時、63歳の時。
ベートーヴェンの全32曲のピアノソナタには、一つとして軽く扱えるものはない。
■バレンボイム盤
- アーティスト: Ludwig van Beethoven,Daniel Barenboim
- 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
- 発売日: 1999/11/09
- メディア: CD
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- アーティスト: バックハウス(ウィルヘルム),ベートーヴェン
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1999/06/02
- メディア: CD
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私は新旧の全集というと、バレンボイム盤とバックハウス盤が自然と頭に浮かぶ(バレンボイム盤でも1980年代の録音なので「新しい!」とはいえないが…)。
まず古い方。バックハウスの録音がステレオで残されているのは幸いだ(1曲だけモノラル)。
同じベートーヴェン、フルトヴェングラーのバイロイト実況盤の第九を聴くのには、音質の悪さから忍耐と想像力が要るが、バックハウスのピアノソナタにはそこまでの忍耐を必要としない。最新の録音と比べると彫りが浅いのは仕方がないが、納得できる音質だ。
ゴツゴツとしたタッチは愛想がまるでなくて、気難しくて厳格なベートーヴェンそのものだ。
新しい方。バレンボイムのポツポツとしたシンプルなタッチは、ベートーヴェンそのものというよりは、その素晴らしさを伝える「ベートーヴェン教」の使徒のようだ。そして音質が良い。
最近、私は「告別」ソナタを好んで聴くが、演奏はバレンボイムによるものがとてもしっくりくる。
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