シューマン・交響曲第1番変ロ長調「春」(op.38)
友人の詩人、アドルフ・ベットガーからインスピレーションを得て作られたシューマンの「春の交響曲」。
最終的に初版譜からは削除されたが、当初は、4つの楽章すべてに次のような標題が与えられていた。
第1楽章: 春のはじまり、谷間の春
第2楽章: 夕べに、牧歌
第3楽章: 楽しい遊び
第4楽章: たけなわの春
そのままこの標題が残っていても問題ないくらい、内容を言い得ていると思う。
春らしい華やいだ気分と、不安定な気候。
強い日差しに嵐。
新年度の期待と不安。
暖かくなった陽気と花粉症。
うるわしい部分と、鬱屈とした部分が同居した、不安定で儚げ、詩的な魅力溢れる曲となっている。
■ティーレマン盤
- アーティスト: ティーレマン(クリスティアン),シューマン,フィルハーモニア管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2001/09/21
- メディア: CD
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クリスティアン・ティーレマンは現在、ミュンヘン・フィルの首席指揮者を務める。同オケで早くこの曲の再録音をして欲しいところだが、CDの英国のフィルハーモニア管もなかなか重厚で実直な音楽作りをしている。低音(低弦)がかなり効いていて、シューマンならではの分厚い和音を存分に味わえる。そして、揺らぐテンポ設定がロマン派っぽい。「春」の定番といえばこのCDが頭に浮かぶ。これはミュンヘン・フィルとの再録が非常に待ち遠しい…。
■ジンマン盤
- アーティスト: ジンマン(デイヴィッド),シューマン,チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
- 発売日: 2004/04/21
- メディア: CD
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ジンマン盤は全集の中からのチョイス。チューリヒ・トーンハレ管は切れ味で勝負。各パートの動きの見通しがきく演奏。アンサンブルもきれい。少人数の強みがいきる。テンポは速め。初めから終わりまで溌剌としていて歯切れがよい。
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