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ブラームス・ピアノ協奏曲第2番変ロ長調(op.83)


ブラームスは2曲のピアノ協奏曲を書いた。後の方、ピアノ協奏曲第2番(→第1番についてはこちら)。これはもうほとんど交響曲だ。


ショパンラフマニノフのピアノ協奏曲とあまりにも違う。


要するに、ピアノが突出して目立つことがなくて、時にバックに回ってサポートに徹し、オーケストラのひとつのパートとなって機能しているようで、まるでピアノ入り交響曲と言えるような代物となっている。例えば第3楽章で主旋律を演奏するのはチェロだ(このメロディがとびきり美しい)。


そして第2楽章には情熱的なスケルツォを配した全4楽章構成のこの曲。ブラームスが48歳のときの円熟の作品だ。


◇  ◇  ◇


ベームバックハウス

ブラームス : ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83

ブラームス : ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83

ピアニスト・バックハウスのゴツゴツとしたタッチは健在。高齢のためテクニックに綻びが出てきているが、晩年のブラームス自身が弾いているのだと思うと気にならない。愛想のまるでないピアノがブラームス気質のひとつの側面を描く。ベームが振るウィーン・フィルの弦の音色は何ともいえない。いま以上に風味が感じられる優雅な音色だ。なお、音質も最高に近い。1967年録音というのが信じられないほど。「昔の録音にしては」という但し書きなしに素晴らしいといえる。


アバドポリーニ

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番

ベームバックハウスに匹敵するコンビはアバドポリーニだ。シンフォニック。アバドの作る音楽はいつものごとく明晰で、歌心もある。第2楽章が素晴らしい。情熱的。ポリーニのテクニックは強靭で、繊細な表現力も併せ持つ。ベームバックハウス盤の方がキャラが立っているともいえるが、私は総合点ではこちらを好む。さらに信じられないことにライブ録音だ。


ライブでは難しい曲だと思う。私はピアニストの小山実稚恵さんが京都市交響楽団と共演した演奏会に接したことがあるが、この時に聴いたブラームスのピアノ協奏曲第2番はとてもよかった。余談。


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