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ベートーヴェンの孤高のピアノソナタ・30番31番32番


ベートーヴェンピアノソナタについては過去に書いている(→「悲愴」「月光」「熱情」の3大ピアノソナタはこちら→ピアノソナタ全集はこちら)。


30・31・32番は、傑作ぞろいのベートーヴェンピアノソナタの中でも孤高の存在だ。


30番。澄みきった感情。無欲。

31番。第3楽章の圧倒的な表現。諦念。

32番。第1楽章の激しさと第2楽章の覚悟。静謐。


技巧の高さは言うに及ばず。聴きこんだ後の感動は相当なものだ。晩年のベートーヴェンが到達した高い頂は、裾野ぐらいしか見えないほどだ。


その高さは音楽を超えており、より大きなものや、崇高なものを感じる。


聴くたびに自分を省みる。

そんな音楽はあまりない。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番&第31番&第32番

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番&第31番&第32番

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内田盤は新しい録音だがすでにこの曲のスタンダードともいえる傑作CDだ。これがモーツァルトの名演を多数残したのと同じ内田さんかと思うほど、タッチは強靭で、音は太い。ピアニストにおいそれと話しかけられないほどの迫力。曲への入り込み方が尋常ではない。心の底から自らの音楽をベートーヴェンに捧げているのではないかと思えるほどだ。この凄みはどこから来るのか。普通でない緊張感が漲っているCDだ。


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