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大阪国際フェスティバル・大フィルのブルックナー8


本日の公演は、大フィルによる、フェスティバルホールでのブルックナー交響曲第8番ということで、この曲を得意とした前音楽監督の故・朝比奈隆の思い出とともに出掛けた人も多いはずだ*1


そうでなくとも、ブルックナーの大曲。気持ちは昂ぶる。


http://www.festivalhall.jp/img/kokusai2007/fil.jpg
(Festival HallのHPより)

第49回大阪国際フェスティバル

4/26(木)19:00

指揮:大植英次
演奏:大阪フィルハーモニー交響楽団
曲目:
ブルックナー交響曲第8番ハ短調(ハース版)


演奏開始直後、再三のアナウンスにもかかわらず携帯電話の呼び出し音がどこかから聞こえてきたときは、どうなることかと思った。

幸い、演奏直後ということで最初から再開された。


第1楽章。地鳴りのような迫力で迫る大フィルの弦セクション。重厚。いつもながら、ドイツのオーケストラのようだと思う。

金管。調子が悪いのか危うい。木管。良い。

しかし、どこか気持ちが乗り切れない。オーケストラも完全に乗り切れていない様子にみえた。


第2楽章。金管も持ち直してきた。ふっきれたのか、スケルツォが気分を変えてくれたのか。立ち直った。


第3楽章のアダージョは緻密な表現が美しかった。この大きなホールでこんなに繊細な音楽を聴くのは初めてだし、とても贅沢だ。深く物語に入り込んでいくように、ブルックナーの音楽の中を彷徨する。オーケストラの熱演。集中力。こちらの聴く姿勢。シンクロした。


第4楽章。これまでテンポはゆっくりだったが、やや早まった。しかしここぞという場面ではグッとテンポを落としてディフォルメ的に聴かせる。


圧倒的なフィナーレに言葉が見つからない。これは名演だろうか。私は金縛りにあったように暫く拍手ができない。とても大きなものに出会った感じだ。余韻に浸っていたかった。


会場の雰囲気はそれはひどいものだった。肝心な部分での雑音。途中退席も多数。しかし舞台は別世界だった。


大フィルは確実に前に進んでいる。今日は朝比奈隆を忘れた。


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*1:現在、大フィルはザ・シンフォニーホールを拠点としている