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大フィル・第408回定期演奏会・2日目


今週月曜日から中国・四国地方に仕事で行っていたのだが、漸く大阪に帰ってきた。


そして帰ってきて早々、大フィルの定期があった。


今日はラプソディー(狂詩曲)ばかりを取り上げた珍しいプログラム。こういう、定期演奏会ならではの意欲的(挑戦的)なプログラムは大好きだ。歓迎。

指揮は大植さんではなくて、井上道義さん。私が、井上さんと大フィルのコンビの演奏を聴くのは、昨年、和泉市モーツァルト・プログラムを聴いて以来だ。


http://www.osaka-phil.com/dbimages/20070530.jpg

第408回定期演奏会 ザ・シンフォニーホール

2007年5月31日(木)

指揮:井上道義
曲目:
▽伊福部 昭/日本狂詩曲
▽リスト/ハンガリー狂詩曲 第2番
▽エネスコ/ルーマニア狂詩曲 第1番 イ長調
▽ディーリアス/ブリッグの定期市〜イギリス狂詩曲
ラヴェル/スペイン狂詩曲


日本狂詩曲。「夜想曲」と「祭」の2曲から成る。宵。ヴィオラのソロ。幽玄の美。祭りの喧騒。綿菓子。カラオケ大会。神輿。喧嘩。盆踊り。阿波踊り?打楽器の迫力。日本的な情景が浮かぶ。盆踊りを踊っているような指揮は見ているだけでもとても楽しかったが、肝心の音楽もバッチリと決まっていた。音量も圧倒的に出ていた。今日のハイライトはここだろう。


ハンガリー狂詩曲第2番。ねっとりと絡みつくような弦パートが素晴らしかった。あまりのねっとり感、弦が溶けていく?のではないかという幻想を抱いた。テンポの振れ幅がすごい。テンポを自在に大胆に変えることで、曲の広がりと奥行きが増すような感じが出ていて、実に効果的だった。


ルーマニア狂詩曲第1番。定期演奏会で取り上げられると知ってから聴いたのだが、とても楽しい曲!(ただし飽きそう。)ジェットコースターのような起伏と変化に富んだ曲だ。クラリネットオーボエヴィオラが輝いていた。


ブリッグの定期市〜イギリス狂詩曲。後半は井上さんは指揮棒を持たずに指揮をしていた。強烈なインパクトを残した前半と打って変わって、この曲ではしっとりと聴かせる。この曲では、木管を厚めに、弦を減らした編成だ。フルートが良かった。英国の荒れ果てた土地にひとり立ち尽くすような寂しさを感じる演奏だった。


スペイン狂詩曲。再び大編成に。木管は全体がよかった。今日は不安定さがなく、自信を持っているように思えた。アメリカのオーケストラか?と思うような演奏能力の高さを感じた。音量も相当出ていたが、時々このオーケストラに見られる「爆演」に陥ることなく、品格を保った熱演だった。


井上さんのケレン味たっぷりの指揮はよかった。役者だな〜と思った。欲を言えばラプソディーづくしだけに全体的にもう少し「毒」、「黒さ」、「怪しさ」、「狂気」が感じられるといっそう良かったが、極めて高い水準の演奏だった。大フィルの本来の演奏能力の高さと、この暴れ馬を見事にコントロールして見せた指揮者の手腕が光った。


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