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「幻想即興曲」〜ルービンシュタイン・プレイズ・ショパン


久しぶりの丸一日用事のない休日、今日はルービンシュタインショパン・アルバムを聴いて過ごした。


ショパン:幻想即興曲

ショパン:幻想即興曲


ルービンシュタインは、他のピアニストのショパン演奏に見られる軽妙、ユーモア、リズムやエスプリではなくて、人間性の豊かさが感じられるような堂々とした骨格の音楽作りでショパンを見せる。


ライナーノーツには、ショパンの生徒たち(貴族の子女)の多くは音楽的才能がなく、ショパン演奏の伝統が、彼らの間違った弾き方によってつくられてしまったという、興味深い記述があった。


確かにショパンピアノ曲はきわめて情緒的な反面、緻密かつ論理的に書かれている。恣意的で情緒的すぎる解釈は、いかがなものか?と思う時もある。


ルービンシュタインは「幻想即興曲」でも、過度にセンチメンタルにならずに演奏している。泣ける演奏かと問われれば、泣けないと答えるほかないのだが、ただしとても大きな演奏である、と付け加えたい。

舟歌」はベネチアのゴンドラを思わせるゆったりとした曲だが、ルービンシュタインの演奏は大船に乗ったような安定感がある。乗り心地はゴンドラよりも大きな水上バスだ。

ボレロ」は好きな曲だ。いつまでも演奏が終わらなければいいと思った。

「アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ変ホ長調」は、ルービンシュタインの名手振りが堪能できる曲だ。アンダンテ・スピアナートはしっとりと聴かせ、華麗な大ポロネーズ変ホ長調は巨大なシンフォニーのような広がりを見せる。


ルービンシュタインのピアノの音はきわめて特長的だ。包みこまれているような温かみがある。こういう素晴らしい音を聴くと、他のピアニストの音がいかにも人工的で神経質に聴こえてしまう。


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