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アルゲリッチ×アバドのベートーヴェン・ピアノ協奏曲第2&3番


ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番&第3番

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番&第3番


即物的に、CDを単なる情報のいれものと考えても、とにかく、このCDの中に収まっている情報量は桁違いの多さだ。


素晴らしい録音状態で、オーディオ・チェックにも最適だと思う。


ベートーヴェンのピアノ協奏曲では、5番「皇帝」が特に有名で、次いで4番、3番、2番、1番という順位の知名度となると思うが、もちろん全てが傑作だ。書いた曲全てが傑作というのが凄い。


5曲のなかで私は、とりわけ4番、1番を愛しているが、2番の軽快で小さなまとまりを見せる洒脱さ、3番の悲劇的な中に少しだけ見える光、他のどれとも違う個性が際立っている。名曲だと思う。


アルゲリッチ×アバドによる録音。これは比較的新しいCDだが、とくに2番の演奏の出来は素晴らしく、十分に名盤と言える。


アバドの指揮する音楽はシンプルで丁寧だ。イタリア人指揮者らしく歌心も大事にしている。こういう演奏を見通しの良い演奏と言うのだろう。清涼ですっきりとした音楽は、真夏に飲む炭酸水を思い出させる。

オーケストラの弦、木管の音色がおそろしく綺麗だ。ゾクゾクするほどだ。


そしてピアニストはアルゲリッチ


誰が弾いているか知らされずに聴いてもすぐにわかるピアニストの筆頭がアルゲリッチだった。

強烈な個性。唯一無二のリズム感。とてつもない早弾き。作曲家よりも演奏家の顔が浮かんでしまう。


だから、逆にこんな落ち着きのあるピアノは逆に新鮮だ(それでも他のピアニストに比べるとじゅうぶん跳ねっ返っているが)。


オーケストラを睨みつけるような挑発的な態度は少なく、アバドとのコンビネーションは抜群で、オーケストラと見事に調和している。


年を重ねて円熟に達したと考えるべきか、アルゲリッチの全盛期を知らない私にとっては、このくらいが丁度良く感じる。


ライブ録音で、当日の熱狂が余すところなく収録されている。観客が3番では瞬間的に感動し、2番では噛み締めるようにじんわりと感動した様子がわかる。


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