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『デセプション・ポイント』(ダン・ブラウン作・角川文庫)


ダ・ヴィンチ・コード』、『天使と悪魔』のダン・ブラウン作の小説、『デセプション・ポイント』。


主人公ロバート・ラングドンが活躍する『ダ・ヴィンチ・コード』、『天使と悪魔』はともに一流のサスペンス&ミステリー小説で、時間を忘れて熱中した。トイレに行くのを我慢し、睡眠時間も削ったほどだ。


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映画『ダ・ヴィンチ・コード』は賛否両論でどちらかといえば期待はずれという声が多かったが、私は小説を先に読んでいたのでじゅうぶん楽しめた。ソフィー役のオドレイ・トトゥが『アメリ』の時と違った知的な演技でとてもよかった。


そして『デセプション・ポイント』。本作はラングドン・シリーズではない。再び熱中をもたらしてくれるか。


文庫化を待って購入してからしばらく放っておいたのだが、最近、読み始めて例のごとく一気に読み終えた。


デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫)

デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫)

デセプション・ポイント〈下〉 (角川文庫)

デセプション・ポイント〈下〉 (角川文庫)

国家偵察局員レイチェルの仕事は、大統領へ提出する機密情報の分析。現在、ホワイトハウスは大統領選の渦中にあり、現職と争っている対立候補は、なんと彼女の父だった。選挙戦はNASAに膨大な予算を費やす現政府を非難し、国民の支持を集めている父が有利に進めていた。そんなある日、レイチェルは直直に大統領から呼び出される。NASAが大発見をしたので、彼女の目で確かめてきてほしいというのだが…。(Amazonより引用)


ほかの2作にもまして映像が頭に浮かぶような視覚的な場面描写(『パズル・パレス』は未読)。


地球外生命体。大統領選挙。陰謀。特殊部隊。隕石。アカデミックなテーマ。グイグイと物語へと引き込む筆力は圧倒的だ。


そして最後にはお約束?のドンデン返しが待っている。


面白い小説を読みたいと思って読んだ場合、期待を裏切らないだろう。


だが私は佳作だとは思ったが、いまひとつしっくりこなかった。『ダ・ヴィンチ・コード』のように絶賛とはいかない。読んでみて引っ掛かる部分があったからだ。


それは登場人物たちの動機の弱さだ。詳しくはネタバレになってしまうので書かないが、こういう動機で人が突き動かされるのだろうかと考えると、そこがとても気になった。


登場人物たちを付き動かす力、そうした行動を起こさせる内面の衝動の描写に不満が残った。


はやくも息切れか。そうでないことを願いたい。


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