「フィラデルフィア美術館展:印象派と20世紀の美術」in 京都市美術館
京都市美術館で開催されている「フィラデルフィア美術館展」に行ってきた。この展覧会は、東京でも開催される。
(→フィラデルフィア美術館のサイトはこちら、→この展覧会の公式ページはこちら)
(画像は「京都市美術館のHP」より)
(画像は「ストリート・アートナビ」より)
■京都
【会期】 2007年7月14日(土)〜 9月24日(月・休)
【休館日】 月曜日(祝日の場合は開館)
【会場】 京都市美術館[京都市左京区岡崎円勝寺124(岡崎公園内)]
【開館時間】 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
※8月16日(木)と、8月17日(金)以降の毎週金曜は19:00まで開館(入館は18:30まで)
■東京
【会期】 2007年10月10日(水)〜 12月24日(月・休)
【休室日】 月曜日(12月24日開室)
【会場】 東京都美術館(台東区上野公園8-36)
【開室時間】 9:00〜17:00(入室は16:30まで)
1. 写実主義と近代市民生活−1855-1890年
3. キュビズムとエコール・ド・パリ−20世紀美術の展開
4. シュルレアリスムと夢−不可視の風景
5. アメリカ美術−大衆と個のイメージ
展覧会の会場の全体は上記の5つの部門に分かれている。印象派を中心として、前時代としての写実主義、ポスト印象派の新印象派と後期印象派、フォービズムとキュビズム、シュルレアリスム、表現主義など、時代ごとに表現技法を象徴する絵画を並べることで美術史の教科書のように近代美術史を概観するように構成されていた。
シュルレアリスムのコーナーは、デ・キリコ、ジョアン・ミロ2枚、マグリットの計4枚しかなく少なく感じたが、他は充実していた。
中でもアメリカ近〜現代美術のコーナーは大変充実していて、1〜4までに観賞した美術史を、アメリカ国内に限って概観するような構成が秀逸だった。
トーマス・エイキンズ、ジョン・シンガー・サージェント、ジョージア・オキーフ、アンドリュー・ワイエスなど、10数枚。私はよく知らない画家が多かったが、それまでの絵と比べ明らかに違う雰囲気、異質さを持っている。同じ時間が、ヨーロッパとアメリカ、別の空間では違う意味を持っていたのか。
その他、とくに印象に残った絵は、マネ「キアサージ号とアラバマ号の海戦」、カミーユ・ピサロ「午後の陽光、ポン・ヌフ」、同「ラクロワ島、ルーアン(霧の印象)」、セザンヌ「風景、オーヴェール」、ピカソ「自画像」、レジェ「印刷工」、クレー「魚の魔術」、ユトリロ「モンマルトル、テルトル広場」デ・キリコ「占い師の報酬」。モネもたくさんあった。とてもレベルの高い展覧会で、他にもすべてが見どころといってもよかった。
私はマネの、草書の毛筆を思わせる、ディフォルメされた潔いタッチがとくに好きだ。実物を目にすると、厚み・絵の具の乗り、筆遣いが良くわかる。これは写真や図録では味わえない。
しかしかなり混んでいてじっくり観賞と行かなかったのは残念だった。館内に椅子がとても少なく、気に入った絵の前でリラックスするというのは事実上不可能だった。素晴らしい絵があってもゆっくりと観賞できる環境づくりはまだまだだ。
ゆっくり観賞するなら平日か。朝一番で行きたいところだが、休日なら観光客の減る午後遅く、閉館前の時間がやや空いているのではないか。
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