ティーレマンのブルックナー5
久しぶりのクラシック音楽のCDのレビュー。1ヶ月振りくらい?の再開だ。
◇ ◇ ◇
クリスティアン・ティーレマンは、ドイツのクラシック音楽界の期待を一身に背負うドイツ人の若手−中堅実力派指揮者だ(1959年生まれ)。
昨今ではコンクールで認められる指揮者が多い中、歌劇場叩き上げのキャリアは異彩すら放っている。バイロイト音楽祭にも登場しているし、今年は来日公演も控えているし、いまが旬の指揮者の一人と言ってよいだろう。
そして本作はティーレマンの、ミュンヘン・フィルの音楽監督就任披露演奏会のライブ録音のCDだ。
この演奏はいい!
ゆったりとしていて重厚。ドイツ本流のブルックナー演奏の見本のような演奏だ。
私は、この曲のベストCDはヴァントがベルリンフィルを振ったライブ録音盤だと思っているが、その演奏はガチガチに論理的であまりに厳しすぎるというのも事実だ。
- アーティスト: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ヴァント(ギュンター),ブルックナー,ヴァント(ギュンター),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
- 発売日: 2006/12/06
- メディア: CD
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そんなヴァントを敬遠する向きにもティーレマンのブルックナーならいけるかもしれない。
ミュンヘン・フィルの柔らかくて温かみのある弦の音色。金管、木管もよく鳴っている。しかもバランスをガチガチに締め上げずにルーズな部分を残している。指揮者の現代的な色彩感覚を感じる。テンポの変化が割合大きい部分もあるのだがぎこちなさはない。そこには逆に活力を感じるほどだ。若さからくる力強さに溢れている。
また本作はライブだけあって、第4楽章などは感情移入たっぷり。高揚感は独特のものがある。ティンパニの迫力もすごい。
理詰めではない、大河の雄大でドラマチックな流れをイメージしたようなスケールの大きい演奏。
ブルックナーの演奏は小ざかしいことをせずに大きな流れに身を任せればいい。
そんなメッセージが伝わってくる。
長い曲だが1枚のCDに収まっている。一気に聴きとおしてしまった。
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