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大フィル・第411回定期「“踊る主席”にラモン・ガンバ舞う」



今日は大フィル定期演奏会だった。


大フィルは、ベートーヴェン・チクルスに、「大阪クラシック」の怒涛の1週間を経て、休む間もない定期演奏会


忙しい忙しい。団員の悲鳴が聞こえそうなくらいで、気の毒なほどのハードスケジュールだが、今日はとっつきの悪い現代曲が多いにもかかわらず観客の入りは悪くなかった。みんな大フィルを応援しているんだ。いつもよりは少ないとはいえ、客席は8割くらいは埋まっていたのではないだろうか。

2007年9月13日(木)、14日(金)18:00開場 19:00開演

第411回定期演奏会 シンフォニーホール

指揮:ラモン・ガンバ
独奏:マーティン・フロスト(クラリネット)
曲目:
▽アダムズ/歌劇「中国のニクソン」より “主席は踊る”
コープランドクラリネット協奏曲
ブリテン組曲「ソワレ・ミュージカル」 作品9
レスピーギ交響詩「ローマの祭」


今日のプログラムを正真正銘の現代音楽と言うと語弊があるが、ベートーヴェンやリヒャルト・シュトラウスなどと比べると文句なしに現代曲と言える。

しかしこのジャンルにありがちな難解さはなく、結論から言えば、親しみやすく楽しい演奏会だった。


なかでもコープランドクラリネット協奏曲は、弦楽器+ピアノ+ハープを中心とする編成で、純度の高いアンサンブルをバックに、クラリネットソリスト、マーティン・フロスト氏の演奏が素晴らしかった。テクニックが優れているだけでなく、深みのある音色が素晴らしかった。カデンツァでは、クラリネットという楽器の表現力の奥深さに驚いた。


ブリテンの「ソワレ・ミュージカル」 。休憩後の最初の曲で、指揮台に上がったと同時に指揮棒を振り上げる。怒涛のスタートダッシュ。最後まで良かった。トロンボーンの音色がとても美しかった。


レスピーギの「ローマの祭」は音量が物凄く、ドンチャン騒ぎと言えるほど。こういう演奏はライブならでは。大フィルの合奏能力の高さを発揮した。好みが分かれる演奏かもしれないが私は鳥肌が立った。こういうドンチャン騒ぎでも破綻しないところが最近の大フィルの凄さだ。爆発寸前のスレスレの熱演だった。いちばん最後の夏祭りを楽しんだような感じだ。


◇  ◇  ◇


今日の演奏会、私は、今日の指揮者、ラモン・ガンバ氏が、5月の定期演奏会に登場した井上道義さんに似て見えて仕方がなかった。


人を食ったような軽やかさ。リズム感。エネルギッシュなタクト。身体表現の豊かさ。長身。もう少し年を重ねていくと枯れた味が出てもっと井上さんのように陶酔的な音楽が出てくるのかもしれないが、外面的な雰囲気から、作り出す音楽の雰囲気まで、両者はよく似ていた。


踊るような指揮姿はそっくりで、5月の定期演奏会を思い出した(→そのときのブログはこちら)。


アダムズの「歌劇『中国のニクソン』より “主席は踊る”」で一番踊っていたのは、ラモン・ガンバ氏だった。


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