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ドビュッシーの夜想曲


数日前までの暑さが嘘のように日中も涼しくなった。こういう日の夕方から夜にかけてはドビュッシーの「夜想曲」を聴きながら静かに過ごしたい。


ドビュッシー夜想曲は、次の3つの部分からなる、この作曲家渾身の管弦楽曲だ。


1.「雲」 (Nuages)

2.「祭」 (Fêtes)

3.「シレーヌ」 (Sirènes)


「雲」のもやもやした様子に焦燥感を駆られ、

「祭」のざわついた気分は気持ちを高揚させ、終わった後には寂しさを感じる。

3曲目の「シレーヌ」とは海の精のことで、どちらかといえば別の読み方である「セイレーン」の方に馴染みがある人が多いのではないか。セイレーンは、ゲームのファイナルファンタジーにも登場する。

この「シレーヌ」では歌詞のない女声合唱が入り、神秘的な雰囲気を演出している。


風景の変化、光の移ろい。目に映るものに確実なものはなく、すべては光の変化でしかない。…と書くと印象派絵画のようだが、ドビュッシー夜想曲はそんな気持ちにさせる、詩的で神秘的な音楽だ。


◇  ◇  ◇


こういう曲なので、録音は、できれば良い音、新しい録音、上手いオーケストラで聴きたい。


デュトワ×モントリオール響盤

Mer/Image/Nocturnes/Jeux/Print

Mer/Image/Nocturnes/Jeux/Print

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この曲のスタンダードな演奏。フランスものでは当代一ともいえるデュトワならではの名演。モントリオール響の煌びやかな音色と、オーケストラを熱く煽るデュトワの意図がしっかり噛み合っている。


ブーレーズ×クリーブランド管盤

LA MER-NOCTURNES 1-3

LA MER-NOCTURNES 1-3

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穏やかな名演。音色の輪郭が柔らかい。和音の溶け具合が絶妙。ブーレーズマーラー交響曲第7番「夜の歌」でもクリーブランド管を振っているが、このオーケストラは夜の音楽に合うのだろうか。絶妙の演奏。多くの人がドビュッシー夜想曲に期待するものをすべてやった、という演奏だ。


アバド×ベルリン・フィル

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

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アバド時代のベルリン・フィルならでは夜想曲だ。ベルリンフィルの演奏能力の高さは素晴らしく、金管の豪華さ、打楽器の強さは際立っている。それでいて緻密で知的で明晰な音楽となっているところがアバドのすごさだ。最近、「ドイツグラモフォン100」という廉価盤シリーズからも販売されて買いやすくなった。


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