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チャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲の名盤


いわゆる3大ヴァイオリン協奏曲は、ベートーヴェンメンデルスゾーンブラームスだが、それらに続いてポピュラーなのはサン=サーンスチャイコフスキーシベリウスあたりだろうか。


チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。


抒情的でスケールの大きなこの曲は、クラシック音楽全体の中でも屈指の人気曲でもある。


いろいろな魅力がある曲だからこそ、時に、ごった煮的とりとめのなさを感じることがあって、実は私はこの曲に100%共感できない部分があるのだが(同じチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番にも同じような感覚を持つ)、素晴らしい演奏で聴くとやっぱりいい曲だなあと思う。


華やかな技巧に、泣かせるロシア的な旋律。ソリストが映える曲で、5割り増しくらいで、女性ヴァイオリニストなら美しく、男性ヴァイオリニストなら力強く見える。


ともかくヴァイオリン協奏曲というジャンルのお手本のような名曲だ。


◇  ◇  ◇


今後の新録音は、2007年チャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門の覇者、神尾真由子さんに期待したいところだが、現状での名盤、名演奏のCDはこんなところだ。


■ムター×プレヴィン盤

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲


ムター新盤。伸びる伸びる。変幻自在に伸びるヴァイオリンの音色が聴きどころ。軟体動物のようだ。聴きごたえのある、とてもおもしろい演奏だった。オーケストラはソリストを引き立てる。ムターの当時の夫、プレヴィンのサポートも絶妙だ。


■ムター×カラヤン


ムター旧盤。併録はメンデルスゾーン。このクオリティからは信じられないことだがライブ録音だ。プレヴィンと共演した新しい演奏の方がずいぶん落ち着いていて、彼女自身の個性もよく出ているが、カラヤンと共演したこちらの古い演奏の方が緊張感が漂っていて、私は好きだ。ムターも、天才少女とい言われていた頃のブラームスメンデルスゾーンの録音よりも数段成長していて、カラヤンベルリン・フィルのゴージャスな演奏にも負けていない。


五嶋みどり×アバド


アバド五嶋みどりという両者から想像されるように、爽やかでスマートな演奏となっている。意外性は少ないが、健康的な熱演で、最後には感動させてくれる。スタンダードな演奏というとこのCDを思い出す。


諏訪内晶子×アシュケナージ

メンデルスゾーン、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

メンデルスゾーン、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲


ジャケットにつられて購入しても失敗しない。誠実、生真面目、実直な名演。ヴァイオリンの音色には深みがある。最初はこの一聴すると地味な音色の魅力に気づかず、暫くお蔵入りしていたが、久しぶりに聴いてみると良かった。日本人が目指すチャイコフスキーの演奏とはこういうものを言うのではないかと思った。反面、併録のメンデルスゾーンは音質が軽く、あまり楽しめなかった。


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