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アバドのベルリオーズ「幻想交響曲」


クラウディオ・アバド指揮、シカゴ響による幻想交響曲を聴いている。


ベルリオーズ:幻想交響曲

ベルリオーズ:幻想交響曲


そういえば、私がはじめて自分で購入したクラシック音楽CDはカラヤン指揮、ベルリン・フィル演奏のベートーヴェン第五「運命」だった。


その次に買ったのが、同じ指揮者とオーケストラのコンビによるベルリオーズ幻想交響曲だった(→幻想交響曲についての過去のブログはこちら。ずいぶん前に書いたので赤面ものだ)。


私の地元はかなりの田舎だったので、カラヤンベームバーンスタインのものくらいしかCDがなかったので(これ本当!)、こういうありきたりなチョイスとなったが、幻想交響曲はいくらなんでも背伸びしすぎだ。よくこんな「濃い」曲から聴き始めたものだ。


◇  ◇  ◇


「ある若い芸術家が恋に狂い恋に破れ、この世を嘆いてアヘンを飲んで自殺を図る。しかし毒物の量が足りなかったため死に至ることができず、彼は深い眠りに落ち、その眠りの中で現実とも夢ともわからない不気味な出来事に襲われる。」


…という変態的なストーリーをもつ交響曲


アバド&シカゴ響の「幻想」は、そんな幻想交響曲を、押し付けがましくなく、なによりも良い音で聴きたい、という向きには最適のCDだ。


アバドの「適度に整理された音楽作り」と、名人オーケストラ・シカゴ響の演奏力が非常にうまく噛みあっている。


アバドの音楽作りはどんな音楽でも基本的に薄味だと思う。マーラーでさえ、共感に満ちているのだが、表面は爽やかで耳当たりは軽い。雰囲気は優しい。そこを趣味のよさととるか、突っ込みの足りなさととるかは個人の好みだが、私は前者だ。


第4楽章「断頭台への行進」、第5楽章「サバトの夜の夢」も実に率直に口当たりよく聴かせる。曲自体のはらむ狂気は他人事で、透明感のある音色がよく響く。


本当に幻覚を見せられるような演奏ではないが、幻覚に襲われる場面のある、よく出来た映画を見るような演奏で、こういう演奏も好演の一つだと思う。


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