ドヴォルザーク・チェロ協奏曲・名盤紹介
現代音楽オンリーのアバンギャルドで刺激的な演奏会を聴いたばかりなので(→大フィル第412回定期)、古典的で、とにかくメロディのはっきりした曲を聴きたくなった。
今日はずっと家で過ごしたので、iPodでなく自宅のオーディオでクラシック音楽を楽しんだ。
とくに堪能したのがドヴォルザークのチェロ協奏曲だった。
とてもポピュラーな曲なので、このブログで一度も触れていなかったのが不思議なくらい。いろいろ名曲・名盤について書いてきたが、まだまだ書いていない曲がいっぱいある。
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ドヴォルザークは、チェロ協奏曲、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲をそれぞれ1曲ずつ書いた。
ピアノ協奏曲とヴァイオリン協奏曲がマイナーとまではいかないが、どちらかと言えば玄人好みのする曲であるのと対照的に、チェロ協奏曲は、名曲コンサートでも頻繁に取り上げられるポピュラーな名曲だ。
ドヴォルザークのアメリカ時代の作品で、彼の作品全体の中でも交響曲第9番「新世界より」と並ぶ傑作であり、スラブ調の泣かせるメロディに、チェロの豊かな響き、豪華なオーケストラ、とにかく演奏効果満載の曲で人気も高い。
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- アーティスト: ロストポーヴィチ(ムスティスラフ),ドヴォルザーク,チャイコフスキー,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 1999/12/22
- メディア: CD
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1枚だけ選ぶということになったら、このCDになる。ロストロポーヴィチは骨太の音楽家だった。残念ながら今年・2007年4月に亡くなってしまったが、この演奏は燦然と輝いている。
カラヤンのドライブするゴージャスなオーケストラ(ベルリン・フィル)に一歩も引けをとらないロストロポーヴィチのチェロのスケールの大きさ。一言で言うと「豪放磊落」。太く豊かな響きが圧倒的な名演。まさにがっぷり四つ、という感じ。
- アーティスト: ロストロポーヴィチ(ムスティスラフ),ドヴォルザーク,チャイコフスキー,小澤征爾,ボストン交響楽団
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2000/06/21
- メディア: CD
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リラックスした雰囲気で録音されている。ライナーノーツにロストロポーヴィチがこのCDをもって、以後、この曲を録音しないと誓約したということが書かれていたが、最後の録音にふさわしい悠然とした演奏。少しも急がないし、テクニックを誇示しない。鷹揚に構えた御大に、小澤が付き添う。小澤の振る、バックのオーケストラ(ボストン響)はカラヤンのベルリン・フィルよりも迫力で劣るが、歌心と緻密さで勝っている。
■フルニエ×セル×ベルリン・フィル盤
- アーティスト: フルニエ(ピエール),ドヴォルザーク,ハイドン,セル(ジョージ),バウムガルトナー(ルドルフ),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,ルツェルン音楽祭管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: CD
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ロストロポーヴィチほど好き放題にやっていない、というか王道を行く名演。チェロに襲い掛かるようなオーケストラでなく、オーケストラに挑むようなチェロでない。チェロとオーケストラがよく調和している。ロストロポーヴィチのダイナミックで迫力のある名演に対し、フルニエは音色の優美さとフレージングの優雅さで勝負する。トータルのクオリティでは甲乙つけがたい。こんな名盤CDが1,000円で買える。
■デュプレ×バレンボイム×シカゴ響盤
- アーティスト: デュ・プレ(ジャクリーヌ),ドヴォルザーク,バレンボイム(ダニエル),シカゴ交響楽団
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2001/12/06
- メディア: CD
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心を揺るがすような演奏。これほど感動させる演奏を他に知らない。演奏に賭ける凄まじい気迫に慄然とする。細部に引っ掛かりがないわけではないが、音色といいフレージングといい、デュプレしかできない音楽に病み付きになる。リマスタリングされているので、録音も素晴らしい。いまは残念ながら品切れ中だが暫くしたら再販するらしい。
- アーティスト: マイスキー(ミッシャ),ドヴォルザーク,エルガー,バーンスタイン(レナード),シノーポリ(ジュゼッペ),イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団,フィルハーモニア管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2007/09/05
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演奏時間が43分に迫ろうとしているので、テンポは相当遅いと言える。テンポがゆっくりな分、細部の美しさが際立つ。マイスキーのチェロは現代的で、個性という点では上の3人と比べるとやや分が悪いが、確実なテクニックと温かみのある音色で、ドヴォルザークの音楽の美しさを雄弁に語る。バーンスタインの振るイスラエル・フィルも雄大でスケールが大きい。特段変わったことをやっているわけではないが、聴いた後にはとてつもない感動を得られる一枚だ。
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