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準・メルクル×フランス国立リヨン管弦楽団


準・メルクルの振るフランス国立リヨン管弦楽団の演奏会に、ザ・シンフォニーホールに行ってきた。フランスのオーケストラは、5月に聴いたチョン・ミュンフン指揮&フランス国立放送フィル以来(→そのときのブログはこちら)。


http://www.asahi.co.jp/symphony/symphony2007/c20071103.jpg

2007年11月3日(土・祝)2:00pm開演

ザ・シンフォニーホール開館25周年記念≫
フランス国立リヨン管弦楽団

[指揮]準・メルクル
[ピアノ]ジャン・フレデリック
管弦楽]フランス国立リヨン管弦楽団


▼プログラム
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ピアノ協奏曲
<アンコール(ピアノ)>
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
〜休憩〜
細川俊夫:循環する海(日本初演
ムソルグスキー組曲展覧会の絵」(ラヴェル編曲)
<アンコール>
ドビュッシー:「子供の領分」より第6曲「ゴリウォーグのケークウォーク」


ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」は大好きな曲だ。


フランスのオーケストラに対する期待を全く裏切らない、色彩豊かな音色を堪能した。


準・メルクルの音楽作りは、緻密でカラフル。手前から奥までピントがぴったりと合った、パンフォーカスの写真のような明晰さだった。ドビュッシーの音楽はモネなどの印象派に例えられるが、ぼんやりとした演奏では眠くなる。こういうクッキリはっきりの演奏の方が私は好きだ。


ドイツ人の論理的なところと日本人の勤勉さを兼ね備え、それにオーケストラの華やかさがミックスされて、絶妙の音楽が創り出されていくのだろうか。


ラヴェルは小編成のオーケストラで、テンポは速めだった。ピリッと辛口で、機械の中の歯車を思わせるメカニカルな演奏だった。そんな中、第2楽章で見せた甘さと美しさは絶品だった。


ソリストのジャン・フレデリックのテクニックも圧巻。繊細さと力強さの両方が見えた。アンコールも素晴らしかった。


あと、舞台奥に見慣れないものがあった。日本の風鈴だった。ホール内の空調に揺られる。面白い。ランダムに響く涼しげな音が東洋的な感じをかもし出していた。


細川俊夫。「循環する海」。ザルツブルグ音楽祭でゲルギエフの振るウィーン・フィルにより世界初演された曲。日本初演。うまくコメントできないが今日のプログラムには合っていた。


展覧会の絵」。この曲ほど生の演奏の素晴らしさを実感できる曲も少ないだろう。ムソルグスキー作曲、ピアノ版の原曲がゴツゴツとしていてやや不自然でロシアの土俗的な雰囲気を感じさせるのとは対照的に、モダンで洗練されている。ラヴェルの職人的なオーケストレーションの巧さが光る名曲だ。


表面的な熱狂とは無縁。濁らない音色と和音。「古城」は好きな曲なので良かった。「テュイルリーの庭」、「卵の殻をつけた雛の踊り」、「リモージュの市場」あたりは諧謔的でフランスのオーケストラにぴったりな曲。とても素晴らしかった。「キエフの大門」の華やかさは圧倒的で、震えた。この曲は癒しの音楽だと思った。


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