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大植英次×大フィル・第413回定期〜ラフマニノフ


大フィルの12月の定期演奏会に行ってきた。


前回のベートーヴェン・チクルスがここ最近では珍しいほどの低調ぶりだったので(とくに7番の前半)、大植さんの体調とオーケストラのコンディションについて心配していたが、今日の演奏を聴く限り、じゅうぶんリカバリーが出来たように感じた。


熱い演奏、感動が帰ってきた。


http://www.osaka-phil.com/dbimages/20071206.jpg

大阪フィルハーモニー交響楽団
第413回定期演奏会

2007年12月6日(木)、7日(金)
18:00開場 19:00開演

ザ・シンフォニーホール

指揮:大植英次
独奏:ルノー・カプソン(ヴァイオリン)※
曲目:
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調
ラフマニノフ交響曲第2番ホ短調


大植さんは今日も暗譜で、チクルスのときと違うのは指揮棒を持っていたことだ。


指揮のアクションは大きめで、激しかった。若々しく情熱的だった。こういう元気な姿を見るのは久しぶりな感じがする。


◇  ◇  ◇


ブルッフ


パンフレットに、カプソンのヴァイオリンは名ヴァイオリニストのアイザック・スターンが長期間使用していたグァルネリのものとある。艶かしい音色。今日は雨が降ったりやんだりだったが、音色は濡れていた。値段がつけられないヴァイオリンの音だ。こういう演奏スタイルなのか、体を大きく反らすのが特徴的だった。


曲は磨くと黒光りするような、ドイツらしい逸品。第3楽章はブラームスのヴァイオリン協奏曲と良く似ている。ロマン派らしい情緒的な作品を、感情たっぷりに歌い上げた。


ラフマニノフ。こちらは100名近くの大編成。


カプソンのヴァイオリンもよかったが、その余韻を打ち消すかのような、豪快な演奏だった。


フランス料理のフルコースのように甘美で濃厚な曲を、大編成オケのスケールメリットによる迫力でドライブする。ただ、規模の大きさばかりでなく、クラリネットやフルートの繊細な表現も聴きどころだったし(とくにクラリネットの熱演なくして今日の演奏は成り立たなかったと思うほどだ)、コンマスの長原さんのソロもカプソン顔負けのテクニカルなものだった。


第1楽章のうねるような部分はCDで聴くと冗長で飽きることもあるが、今日の演奏は聴き浸った。テンポはゆっくりだが、メリハリがきいていた。甘みと苦味のバランスが絶妙だった。後半に期待を持たされた。


第2楽章は駆け抜けた。弦の表現力は圧倒的。地鳴りのような低弦と、ヴァイオリンの饒舌さが見事だった。


第3楽章はむねをかきむしられるような悲しさがよく表れていた。久々の全開モード。美しさに息を呑んだ。


フィナーレは圧巻で、咆哮するような、パッションを感じさせる演奏だった。しかも破綻は見せず、最後はきちんと揃っていた。


オーケストラを煽り、叱り、褒める。出だしの指示、音量がもっと必要な部分での的確な指摘、うまくいったときの満足げな表情など、オーケストラとのコミュニケーションの様子がよくわかる演奏だった。今日は、オーケストラとの緊張関係が良い状態だったと思う。


大植音楽監督&大フィルの円熟のコンビもまだまだ守りに入らず、来年の定期のプログラムにも工夫を入れて、さらにポジティブに攻めて欲しい思いを新たにした。


大植さんの大フィルからの流出を避けるためにも、音楽監督から、終身名誉監督(!?)に任命してはどうかと思うのは私だけだろうか。


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