ウェルザー=メスト×クリーヴランド管による第九「合唱」
年の瀬も迫ってくると第九の演奏会の季節だが、今年は行く予定がない。
大植英次さんと大フィルによるベートーヴェン・チクルスの最終回が第九だったので「今年はこれだけでいいや」と思っていたら、都合が悪くなってその演奏会にも行けなくなった。
佐渡裕氏の振る大阪センチュリー響による「感動の第九」など、他にも第九の演奏会はあったので、予定に入れておけば良かったと思ったら既に売り切れ。第九の演奏会の生の感動は他ではなかなか得られないので残念だ。しかし後の祭り。
そんなわけで第九をCDで鑑賞する日々となっている。
- アーティスト: メスト(フランツ・ウェルザー),ブルッガーゴスマン(ミーシャ),オコナー(ケリー),ロパード(フランク),パーペ(ルネ),クリーヴランド管弦楽団合唱団,ベートーヴェン,ポルコ(ロバート),クリーヴランド管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2007/08/29
- メディア: CD
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こちらは、ウェルザー=メストとクリーヴランド管弦楽団による第九のライブ盤。
最近の録音では珍しい、重厚路線の第九で、「重低音」といえるほどの低弦の迫力が聴きどころだ。
例えば第2楽章はお腹にズンズン来る感じだし、第4楽章の冒頭なども迫力が凄い。印象としては、「ブーン、ブーン」と音を立てるジャズのベースのようなズッシリとした重みがある。
打楽器はこもったような音質で、音量も大きめ。キレはよくないがテンポはしっかり揃えてきている。
演奏のテンポはかなり速いのだが、こってりとした音質のため、さほど速いという印象は受けない。逆に遅かったら動きが鈍く感じてしまうだろう。
個々の楽器の表現の繊細さよりは、全体の表現の力強さや正確さが武器で、軽すぎたり鈍すぎたりすることがなく、私にはしっくりくる。
フィナーレの勢いは本物。独唱は立派。合唱も素直。
ケレンミの少ない第九。しかし、いかにも第九らしい第九を聴いた。
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