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新書『疾風怒濤のクラシック案内』(宮本文昭・著)


この人が演奏の第一線から退いたということがいまだにピンと来ない。


宮本文昭さんは、2007年に現役のオーボエ奏者を引退し、今後は指揮者やプロデューサーとしての活躍が期待されている。最近では2007年CDデビューのヴァイオリニスト、宮本笑里さんの父親としても知られている。


そんな元・世界的オーボエ奏者によるクラシック音楽ガイド。


疾風怒濤のクラシック案内 (アスキー新書 041)

疾風怒濤のクラシック案内 (アスキー新書 041)


ベートーヴェンはいわゆる「KY」(2007年流行語・「空気が読めない」)だった。


モーツァルトが若い頃の見世物的な演奏旅行によって、随分ひねくれた大人になったこと。名曲・交響曲第40番のコントラバスに耳を傾けることで聴こえてくる「重さ」。


ブルックナー交響曲第8番との運命的な出会い(著者はこの長大な曲を高校時代、帰宅後に毎日聴いたという)。


子供が生まれた年に「亡き子をしのぶ歌」という曲を書いた、ひねくれ者のマーラー


などなど、一風変わった切り口からではあるが、とても親しみやすいクラシック音楽ガイド本となっている。


キレのある文章と実感のこもった表現。


演奏家ならではの鋭敏な感性が現れた労作だ。


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