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マルク・ミンコフスキの40番&41番「ジュピター」


マルク・ミンコフスキが振る、レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルによるモーツァルトを聴いている。


レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルは、ミンコフスキが1982年に設立した古楽器オーケストラで、フランスのグルノーブルを本拠地として活動している。


このCDは、2006年のモーツァルト・イヤー(生誕250年)に発売されたCDで、これが実に素晴らしい演奏で、40番と41番の「新」スタンダード、「新」名盤と呼べるような傑出した演奏となっている。


モーツァルト:交響曲第40番&第41番

モーツァルト:交響曲第40番&第41番


鈍重なモーツァルトが嫌いな人にも、軽いモーツァルトが嫌いだという人にもピッタリな演奏で、これは殆どの人を納得させる演奏ではないかと驚いている。


例えば多くの古楽器オーケストラやピリオド奏法では音の軽さが気になって、落ち着かない気分になる時があるが、このCDではそんな心配は無用だ。


軽くないのはなぜだろう。


その秘密は絶妙のテンポ設定とパートのバランスにある。


急ぎすぎないテンポ。速目を基本としつつもここぞという場面ではグッとテンポを落とす。役者だと思う。


多彩な音色と完璧なアンサンブル。個々のパートが溶け合うのではなく主張し合うことで、対比、同調、逆接、比喩などの論理が生まれる。そういえば論理的な演奏だとも思う。


さらにライブ録音ということも関係しているのか、溜まったエネルギーが爆発するような熱演で、高密度感を味わわせる。観客は相当興奮しただろう。


40番・ト短調交響曲と、41番「ジュピター」という対照的な2つの傑作を、どちらも甲乙つけがたいレベルの演奏で聴かせてくれる(併録の「歌劇《イドメネオ》のためのバレエ音楽」もこれまた良い)。


ミンコフスキはバロックものを得意としているが、このアプローチ、このオーケストラで是非ともベートーヴェン交響曲全集を録音して欲しい。絶対に合うと思うのだが。署名でも集めようかと真剣に考えている。


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