「天下一品」の「こってり」

先日、数年ぶりに「天下一品」、通称「天一（てんいち）」の「こってり」を食べた。

天一は現在では全国的にチェーン展開するが、もともと京都発祥で、私は過去に京都でよく食べたものだった。「他府県の天一はこってり度が足りない」と、北白川の本店や京都の店舗しか認めないファンもいるほどだが、私はそこまでのこだわりはない。

京都のラーメンや京風ラーメンというと、あっさりした味を予想するが、例えば、「新福菜館」といい、「横綱」といい、「鳳林」といい、こってりとした濃いスープを特徴とする店が多い。京風ラーメンのもともとの潮流はこってりスープにある。

そんな中でもこってりの王様が「天下一品」で、私も初めて食べたときは衝撃的で、「これは果たしてラーメンなのか」という、疑問が尽きなかった。カルチャーショック。異文化理解。そして出した結論が、「これは天一のこってりという別種で新種の食べ物だ」というものだった。

麺は細麺で特に変わったところはない。特徴はスープ。野菜やニンニク、唐辛子、コラーゲン、鶏など様々な要素からなる、複雑で濃厚な味。

スープというよりはシチューのようにドロドロで、ある人が冗談で、「麺をすくったらスープが絡んで容器が持ち上がった」という説まであるほどだ。

だが、この個性的なラーメンが癖になる（苦手な人はとことん苦手らしい）。時々無性に食べたくなる。一応、「あっさり」も選べて、こちらは普通のしょうゆ味のスープ。体調がすぐれない時は、こちらが良い（すぐれないときにはラーメンなど食べないという話もある）。

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暑い日だったが、冷房がガンガン効いた店で、汗を拭きながら熱くて濃いラーメンを食べた。

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