ミハイル・プレトニョフのピアノソナタ集
指揮者でピアニストのミハイル・プレトニョフによるモーツァルトのピアノソナタ集を聴いている。
収録されているのは、ピアノソナタ第10番(K.330)、11番(K.331)、12番(K.332)、14番(K.457)の4作品。
第11番(K.331)は、『トルコ行進曲つき』の通称で呼ばれる名曲。第3楽章が当時のトルコブームを意識したオリエンタルな旋律になっている。第10番は愉悦に富んだモーツァルトらしい逸品で、私もとくに好きな作品だ。
- アーティスト: プレトニョフ(ミハイル),モーツァルト
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/02/08
- メディア: CD
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プレトニョフによるモーツァルトは、かなりオリジナリティのある演奏で、他のピアニストの録音との違いに、「これがモーツァルトなのか!?」と思った。
跳ねるようなリズム感、タメ、崩し、早弾き。プレトニョフ節が炸裂。慣れ親しんだモーツァルトの音楽に新しい息吹を吹き込むかのよう。おもしろいかおもしろくないかと言われたら断然おもしろい。生で聴いたら相当おもしろいのではないだろうか。しかし合わない人はトコトン合わないだろう。私は7割くらい共感できた。
強音から弱音まで非常によくコントロールされている。力強さも見せるし、繊細さも見える。音色はキラキラ光るように粒が揃っていて美しい。解釈が前面に出た演奏。
ひとことで言うと「シンフォニックかつ立体的なピアノ」で、こういうピアノを弾く人だからこそピアノだけにとどまらず指揮に向かっていったんだろうなと思った。
たいへん個性的な演奏。モーツァルトが聴いたら怒るだろうか、反対に喜ぶだろうか。
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