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グレン・グールドのブラームス(バラードとラプソディ)


グレン・グールドが弾くブラームスを聴いている。



グレン・グールドの名演奏としては『ゴルドベルク変奏曲』がとくに有名だが、こちらもそれに劣らない。畢生の名盤と言える。

グレン・グールドブラームス:4つのバラード、2つのラプソディ、間奏曲集』

  • 4つのバラード(op.10)
  • 2つのラプソディ(op.79)
  • 3つの間奏曲〜変ホ長調(op.117-1)・変ロ短調(117-2)
  • 8つのピアノ小品〜間奏曲イ長調(op.76ー6)
  • 6つのピアノ小品〜間奏曲イ短調(op.118-1)・間奏曲イ長調(op.118-2)


中でも、4つのバラード(op.10)、2つのラプソディ(op.79)は、グレン・グールドの死の直前に録音されただけあって(1982年)、尋常でないほどの高みに達している。


若い頃の演奏が提案に満ちているとすれば、晩年の演奏は確信に満ちており、思わず引き込まれる。


ズーンズーンとお腹に響いてくるような、重くて明瞭な音に独特な存在感があって、他には代えがたい魅力がある。


4つのバラードは作品番号を見てもわかるとおり、ブラームスが若い頃の作品で、ショパンのバラードとは作風も規模も異なるものの、ロマンチックで散文的な性質が感じられる。


2つのラプソディは、私が最初に夢中になったブラームスピアノ曲で、いまでも愛聴している。ブラームスピアノ曲の中で、先日触れた、6つの小品の第2曲「間奏曲」(op.118-2)が最も美しい旋律であるならば、こちらは、最も中毒性の高い旋律ではないだろうか。


これらの曲、このアルバムには、暗い部屋でヘッドフォンで聴くようなスタイルが最も似合う(太陽の下で聴くのは最も似合わない)。癒しの効果があると思う。


この録音を聴いて思うことは、演奏者はたとえ明日死んだとしても後悔しないだろう、とても潔い演奏ということだ。50歳という早すぎる死ではあったが、グレン・グールドにもはや遣り残したことなどなかったのでは、と思う。


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