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エレーヌ・グリモー×ザンデルリンク


まだ本格的な夏ではないのに、じゅうぶん暑い。この調子で暑くなっていくと8月になったらどうなるのだろうかと心配で仕方がない(この調子で12月になったらどうなるのだろう?という古典的なボケはなしです)。年々、体が暑さに弱くなっていくので心配だ。


こう連日のように暑いとクラシック音楽どころではないのだが、今夜も懲りずに聴いている。


エレーヌ・グリモーによるブラームスのピアノ協奏曲第1番を聴いている。


Concerto 1 in D Minor

Concerto 1 in D Minor


この曲でのエレーヌ・グリモーのピアノは、まず瑞々しい。


先日のパーヴォ・ヤルヴィとの共演でもそうだったように、ベートーヴェンだと豪腕といっても良いくらい、男性的な力強さが感じられるのだが、このブラームスではしなやかで、流れるような感じ。ゴツゴツした曲なので意外な印象だが、これはこれで良いと思う。


立体的で、よく鳴るピアノ、という点は現在と共通していて安心する。アダージョ楽章での巧さも抜群だ。どこまで掘り下げるのかと感じるくらいの、深みのある表現が素晴らしい。


オーケストラは、シュターツカペレ・ベルリンベルリン国立歌劇場管弦楽団)で、現在は引退してしまったクルト・ザンデルリンクが指揮。この指揮者、オーケストラがすごい。


ザンデルリンクの指揮者としての大きさを感じる。


きわめてスケールの大きい音楽であるにもかかわらず、のろさを感じる部分がまるでない。オーケストラは敏感で俊敏にこたえる。重厚でありながら、艶もある、聴き応えのある伴奏になっている。


指揮者が年をとっていくと、響きが重厚になっていく反面、テンポの維持が難しくなったり、鈍さを感じたり、老いを感じる部分が少なくないというが、この録音を聴く限りザンデルリンクに関してはそんなことは全然ない。むしろ、若い。活気があって、清新で、若々しい演奏だと思う。


こんな立派な指揮者がまだ存命していて、つい最近まで生で聴くことができたのだと思うと感慨深いと同時に、私は結局聴く機会がなかったので少々残念だ。


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